新型iMacとiPad Proが発表。7色のカラー展開は「原点回帰」か
2021年4月21日早朝(現地では20日未明)、Appleの新製品発表会がオンラインで開催された。このイベントでプレゼンされたプロダクトには、捜し物に役立つ「AirTag」やセットトップボックスの「Apple TV 4K」もあったが、特に目を引いたものが2点ある。
iPad ProとiMacのモデルチェンジである。そこで今回は、この2商品に絞って、それぞれニューモデルがどのような進化を遂げたのかを解説したい。
M1チップ搭載になったiPad Pro
iPadシリーズの最高峰にあたるiPad Proだが、在来モデルに搭載されていた「A14」プロセッサはiPad Airにも搭載されており、性能的には大差なかった。それが今回、Macと同じ最高性能の「M1」プロセッサに換装され、大幅なパワーアップを果たした。
目につく違いとしては、ディスプレイも挙がる。タッチパネル後背に配されたバックライトパネルが、より緻密な設計のものに変更された。「Liquid Retina XDR」と称された新型のディスプレイでは、画面上の部分ごとに明るさを変更できるため、従来よりも精細な色表示が可能となった。
また、セルラーモデルでは5G回線に対応している。現在は普及途上の5G技術だが、数年以内の全国整備が目指されており、iPad Proは「5G時代」になっても使い続けられるタブレットだということになる。
手書き認識機能の「スクリブル」は英語以外の5か国語に対応したが、残念ながら日本語には未対応だ。日本語の文章ではひらがな・カタカナ・漢字の3種類、それに加えてアルファベットや算用数字も用いるため、実用化が難しいのではないかと思われる。しかし今回は漢字を使う中国語がスクリブルの対応言語に加わったため、今後の展開には期待が持てる。
プロユースにも耐えうる性能を得たiPad Proの価格は11インチモデルが9万4800円~(※価格はすべて税込み、以下同)、12.9型が12万9800円~。「Liquid Retina」の臨場感を体験したいのならば、このモデルを選ぶしかない。
M1プロセッサでパワーアップしたiMac
待ち望むユーザーが多かったのが、従来型のIntelプロセッサに据え置かれていたiMacシリーズである。大勢の予想通り、iMacのプロセッサもAppleシリコンに変更となることが今回発表された。
iMacが搭載するAppleシリコンプロセッサは、MacBookシリーズと同じ「M1」である。筆者は以前の記事で、iMacの搭載プロセッサが「M2」になるのではないかと予想を立てていたが、そのあては外れてしまった。
とはいえ、M1が優れたプロセッサであることはすでにベンチマークが示しており、今回の刷新でiMacの性能は大幅に向上する。特に静音性に関しては、目をみはるほどの進化が実感できるだろう(もともとiMacシリーズは静音で有名だったが)。
ところで、M1チップ搭載のMacファミリー自体は2020年11月にすでに発表されている。それがどうしてiMacだけ年度をまたいだのかというと、どうやら筐体のリデザインに多少の時間を要していたようだ。新しいiMacでは、外観そのものが大きく変更されている。