コロナで増加。Zoomハラスメント「ズムハラ」被害の実態と対策
コロナ禍のオンライン会議用ツールとして脚光を浴び、すっかり定着したのが「Zoom」だ。便利な機能も多い一方、Zoomをめぐっての問題がいくつか取り沙汰された。
そのひとつが、Zoomを含めたオンライン会議において発生するハラスメント“ズムハラ”だ。今回は、ハラスメント問題に関する研修事業を手掛ける株式会社インプレッション・ラーニングの代表・藤山晴久さんに、ゾッとするズムハラの実態と対策方法を聞いた。
映りこんだ自宅の背景をイジられる
ズムハラの発生する代表的な原因は、新たに職場と化した「自宅」をめぐる問題だ。
「いきなりのテレワークだったので、当初はまだバーチャル背景などの活用ノウハウも普及していませんでした。また、都内のワンルームに住む若者はテレワーク専用の部屋を用意することも難しいので、生活感のある自宅の様子が背景に映りこんでしまうんです」(藤山氏、以下同)
いわば「職場への自宅公開」となる状況。これだけで嫌悪感を持つ人も少なくないが、これを「イジる」ことが、ズムハラに繋がっているという。
「上司にしてみれば、得られる情報はオンライン会議で映し出される視覚情報だけ。会話の糸口がつかみづらく、『〇〇ちゃん、意外とかわいいぬいぐるみ持ってるじゃん』といった具合につい部下の自宅をイジってしまうのです。自宅の様子をツッコまれるのは嫌がられるので、これはやめたほうがいいですね」
「やっと2人きりになれたね」
こうした事例に対処するためには、バーチャル背景をしっかりと活用して、隙を与えないのと同時に、視覚情報だけで部下と接さないように心がける必要もあるという。
オンライン会議に関係なく職場のハラスメントとして悪名高い「セクハラ」もオンライン化されている。
「集団でのオンライン会議後、ある女性が男性の上司に呼び出され『2人きりで話がしたい』と言われました。女性はその言葉に従ってオンライン会議に参加すると、上司から『やっと2人きりになれたね……』と。この話を聞いたときはゾッとしましたよ」