ドSなパワハラ上司に怯える毎日に…部下がしかけた復讐ビデオ会議
社員に対する身体的・精神的な攻撃、人間関係の切り離しや過大な欲求などを禁止する「パワハラ防止法」が、大企業においては今年2020年の6月1日から施行され、中小企業においても2022年4月1日から施行されます。
法律的にも社会的にも従業員への不当な扱いを防止しようという動きが強まる中でも、パワハラ被害に苦しんでいる人々は少なくありません。システム開発会社で営業職に就いている宮内亮さん(仮名・26歳)もそのひとり。
会社にバレないところで恫喝
会社は厳しく取り締まっているそうなのですが、少し前までひとりの上司による苛烈なパワハラに苦しんでいる状況だったとか。その上司は40代後半で、宮内さん曰く「昔ながらのやり方に固執するオールドタイプの人間」とのこと。
「会社の目の届かないところで自分たちにパワハラを仕掛けてくるんです。基本、事務所内ではその手のことは一切しません。営業中に呼び出されたり、飲み会でやられることもありますね。あ、ちなみにその飲み会の代金は基本割り勘で、ひどい時は部下に払わせることもあります」
そこで行われるのは、数字を取れとの恫喝や、心を傷つけるような暴言の数々……。
「本当にひどいもんですよ。新入社員に『ここで結果を出せないようならどこに行っても通用しない。つまりおまえみたいなのは社会のクズなんだよ』と怒鳴ったりしますから。叱咤激励というより、完全に部下をいたぶることを楽しんでいる感じなんです」
ビデオ会議で、暴言がさらにひどくなる
問題の上司には様々な「俺ルール」が存在し、そのルールのためなら平気で会社のルールも破るのだとか。
「コロナウイルスの拡大で外出自粛が要請されてからは、うちの会社も対面営業を禁止にしたんです。なのに上司からは、『対面が一番取れるから、対面で営業してこい』と圧力をかけられました。あの頃、対面での営業は常識を疑われるような行為でしたから、本当に嫌でした」
そうした上司の圧力に加え、自粛期間に入ってからの変化が追い打ちをかけることに……。
「ビデオ会議も最悪でした。クローズドな空間ということもあって暴言もさらにひどくなりました。『今は客が精神的に弱ってるから取れる』とか『ここで結果出せない奴はサボってるとみなすからな』とか無茶苦茶なことを言うんです」
上司の存在自体が心身に負荷をもたらす日々に、宮内さんは追い詰められていきます。