コンビニでも買えるベストな朝食は?医師に聞く「最高の食事術」
前夜の残業やゲームで朝寝坊……。出勤時間は迫っているし、朝食をとる暇なんてない! こんな経験、誰にでもあるでしょう。
その日1日の仕事のパフォーマンスを考えると、何か食べたほうがいいのでしょうか。それとも、無理をしてまで食べなくてもいいのでしょうか?
『不摂生でも病気にならない人の習慣』の著者であり、長年、自律神経の研究に取り組む順天堂大学医学部教授・小林弘幸医師に解説してもらいます(以下、小林氏の寄稿)。
A. 寝坊しても朝食は欠かすべきではない
朝食を抜くと、自律神経のバランスが乱れてしまい、その状態を引きずったまま1日を過ごすことになります。あとあとのことを考えれば、何とか朝食をとりたいものです。
理想を言えば、バランスの良い食事をゆっくり時間をかけてとりたい。もし1日1食しかとれないなら、朝食にすべきだと言い切れるほど、朝食は自律神経にとって重要な行為です。とはいえ、なかなか生活習慣を朝型にできない事情もあるでしょう。
私も忙しいときはコップ1杯の水を飲んだ後、トースト、バナナ、ヨーグルトの3点セットが定番となっています。水を飲むことで寝ている間にオフモードになっていた胃腸が適度に刺激され、自律神経がスムーズにオンモードに切り替わります。起き抜け1杯の水は、どんなに慌ただしくても必ず毎日、飲みましょう。
バナナ1本でもいいから食べよう
それでも寝坊してしまった。とにかく時間がない。困りました。そんなときは出勤前にコンビニに立ち寄り、バナナ1本だけでもかじってみてください。
バナナなら、コンビニで簡単に手に入りますし、歩きながらでも手軽にさっと食べられるのがいい。カロリーも十分(1本あたり約86キロカロリー)、食物繊維(100グラムあたり1.1グラム)も多く、ビタミンB群も豊富です(消化液の分泌を促すビタミンB1や、エネルギーの代謝を促すナイアシンなどが含まれています)。マラソンランナーやサッカー選手が、競技前にバナナを食べることが多いのも、こうした理由からです。
もう少し時間があるなら、ヨーグルトやカップみそ汁を口にしましょう。イートインスペースで食べてしまえば、ほんの数分で済むはずです。
朝食を抜くと自律神経が乱れると言いましたが、一度乱れた自律神経をリカバリーするのは容易なことではありません。結果、その日は乱れたまま終わってしまうこともあります。
私は20年近く自律神経の研究に打ち込んできましたが、自律神経の働きが、あらゆるパフォーマンスの向上や健康において、きわめて重要なキーになっていることが明らかになってきました。