東京メトロの駅に「個室型ワークスペース」登場。テレワークにも使えそう
東京メトロの中期経営計画『東京メトロプラン2021』のひとつ、「東京の魅力・活力の共創」の一環として、2020年2月20日(木)から個室型ワークスペース「CocoDesk」サービスを6駅9台で開始した。オフィスワークの新しいカタチを御案内しよう。
実証実験で好感触を得る
CocoDeskは富士ゼロックスが開発した個室型ワークスペースである。東京メトロの駅設置の経緯について、同社企業価値創造部 新規事業企画担当の瀬谷麻里恵課長補佐は下記を挙げた。
① 外部連携による共創
知見、技術を持つ富士ゼロックスと東京メトロの目指すところが一致。
② 社会情勢の変化
テレワークなど働き方の多様化が進み、モバイルワーク事業が高まったという背景から、「“スキマ時間”に少し仕事をする」という東京メトロからの提案。
2018年6月から2019年7月まで都内沿線(おもに駅構内)の10か所にワークブースを設置し、サテライトオフィスサービスの実証実験を実施。当初は無料サービスだったが、のちに有料(15分200円)に変更。1年1か月間で法人、個人合わせて2000人以上が利用した。
東京メトロは駅構内での働き場に対する利用客のニーズを確認。アンケートの結果を反映し、CocoDeskの本設置に至ったのである。
「CocoDesk」の概要
サテライトオフィスサービスでは、インターネットカフェで見られる天井のないブース型個室だったが、CocoDeskでは完全個室型を採用。防音パネルを活用した静音個室に進化した。これにより通話も可能になった。
完全個室化に伴い、エアコンを設置(後述の池袋駅のみ未設置)。また、個室面積も広げることで、作業スペースの拡大、小型のキャリーバッグを置けるようにするなど、作業環境の改善を図った。さらに、あってはならない事故などに備え、非常ボタン、防犯カメラ、簡易スプリンクラー(水5リットル分)を設けている。
室内はボタン式の鍵、椅子、ハンガー、机、電源用とUSB用のコンセント、無線LAN、ブレーカー、大型の液晶モニターを設置。ノートパソコンにケーブルをつなげると、画面を拡大して見ることもできる。
出入りするドアは引き戸で、すりガラスを採用。おそらく、中で作業している利用者に急病などの異変が発生した場合、防犯カメラ共々、救出しやすいようにしているものと推察する。