渋谷パルコが目指す「次世代の商業施設」のあり方。その立役者が語る
建て替え工事に伴い、3年間休業していた渋谷PARCO(パルコ)が2019年11月22日にオープン。開店前から約2500人が立ち並び、大きな注目を集めていた。
また、世界へ発信する唯一無二の「次世代型商業施設」としても話題となっており、約180の個性あふれるショップが「FASHION」「ENTERTAINMENT」「ART&CULTURE」「FOOD」「TECHNOLOGY」5本の柱で構成されている。
1973年に渋谷パルコがオープンして以来「公園通り」や「スペイン坂」など、街のカルチャーを創ってきた同ビルだが、「100年に一度の再開発」と言われる渋谷においてどのような存在感を示していくのだろうか。
去る1月14日に行われた、NPO法人ユニバーサルファッション協会が運営する講演会に、株式会社パルコ常務執行役の泉水 隆氏が登壇。渋谷パルコの方向性や今後の展望について話した。
街と一体感を出す立体街路
新しくなった渋谷パルコは、以前パート1、3のあった敷地を含む大型複合ビルとして開業。
パート1とパート3の間にあった道路は改装され、新たに「ナカシブ通り」として24時間通行可能な歩行者専用通路が誕生した。
ナカシブ通りの周りには路面店が立ち並んでいて、外観にはアートウィンドウを設置。日本のアートとカルチャーを推進してきたパルコらしい雰囲気を醸し出していると言えよう。
特筆すべきは、スペイン坂から続く立体街路だ。
渋谷の「坂」と「通り」に着目し、街を歩くようなショッピング体験を創出するために、ビルの壁面に沿うように1階から10階までらせん状の立体街路が造られている。
「渋谷の街との融合を意識し、遊び心ある商業施設にしたかった。10階にある屋外広場では今後、1階の広場と連動したイベントも行っていきたい」(泉水氏、以下同)
ビルの外周に沿った立体遊歩道を通り、渋谷の街を眺めながら買い物を楽しむ。まさに、街と一体感を出した次世代の商業施設を感じさせるものであろう。