ストレスが低下する3つの食事法。今日から摂れる食材、サプリも
仕事で発生する責任や失敗、上司や同僚との人間関係など……。職場で抱えたストレス、どうやって解消していますか?
厚生労働省の「労働安全衛生調査」(平成30年)によれば、仕事で強いストレスを抱えている労働者は58.0%にのぼったとあります。ストレス解消のため、原因となる事柄を取り除くのもアリですが、日々の食生活による“栄養の偏り”もストレス発生の一因とされています。
最新の研究では、偏った食生活の人ほどメンタルが弱いことがわかっています。ここではストレス改善に一役買ってくれる食事法を3つ紹介します。
① 心身にポジティブな作用がある「発酵食品」
「発酵食品」(ハーバード大学・アメリカ)
まずは、日本人には手が出しやすい納豆やキムチ、味噌などの発酵食品。伝統食の研究者、エヴァ・セルハブ博士(ハーバード大学)は、発酵食品の心身への作用について述べています。
「伝統的な食生活を続ける人ほど不安障害のリスクは低く、納豆の消費量の多い日本の伝統的な食生活はうつ病を減らすことが判明している。発酵食品には、腸内環境を良くして脳の健康に良い影響力を与える潜在力を持っている」
納豆、キムチ、味噌、ヨーグルト、ピクルス、ザウアークラウトなど、微生物の作用によるものなら何でもいいので、普段の食事に1品は必ず入れましょう。
また、発酵肉や、魚醤などの発酵魚は珍味として人気ですが、脳機能をアップさせる作用があるアグマチンやポリアミンが含まれています。
② ストレス低下させる食習慣「5 A DAY」
「5 A DAY」(シドニー大学・オーストラリア)
2016年、オーストラリアのスウィンバーン工科大学は、ギリシャやイタリアの伝統的な地中海式食生活を調査し、次のような結果を得ました。
「野菜や果物、魚、オリーブオイルを大量に食べることで年齢や性別に関係なくメンタルが強くなり、記憶力や集中力も向上した」
重要なのは野菜や果物をしっかりと食べて、バランスの良い食事を取ること。そうした考えなどから現在欧米で広く受け入れられている食生活改善運動が、「5 A DAY」です。1日に野菜350g、果物200g以上摂取することを推奨するこの運動は、1990年代にアメリカでがんや生活習慣病の予防のために生まれましたが、当時は「健康的な食生活ならメンタルにもいいはず」という程度の認識でした。
これについて調査を行ったのが、一昨年に論文を発表したシドニー大学公衆衛生学部のメロディー・ディン博士の研究チームです。
「推奨量の野菜と果物を毎日食べる人は、食べていない人よりストレスのリスクが14%低いことがわかった。これは野菜と果物の摂取が心理的ストレスの低下率と関連することを示しています」(シドニー大学の研究論文より)
野菜は小鉢・小皿換算で5皿分(中皿なら2皿分でカウント)、果物はミカン2個やリンゴ1個程度が目安量。一度の食事で取る必要はなく、一日3回の食事の合計で推奨量をクリアすればOK。ストレス対策だけでなく、病気になりにくい体づくりにも有効だとか。