「身内の甘ったれがあったのではないか」行政による“雇用数水増し”に驚愕
「身内の甘ったれみたいなものもあった」
ある障害者雇用関係者はこう語ります。
「霞ヶ関の中央省庁で、厚生労働省の担当課が、各省庁の担当者を集めて説明をするという機会が初めてだったということです。身内の甘ったれみたいなものもあったような気がしますね。民間の場合にはペナルティーを科されることもあってやっているわけですよ。
役人が来て、民間企業を律するわけですから。地方の自治体だって、多分労働局からの解説があったくらいでしょう。だから教え足りなくて、しかも真剣に聞いていないということを42年間続けてきたという話じゃないですかね」
政府は全国の自治体で計3809.5人(短時間雇用者は0.5人と計算)の不適切な障害者雇用数の算入があったとの再調査結果を発表。
中央省庁のみならず、牽引しなければならない行政機関で水増しが横行していた実態が鮮明になった発表でしたが、国の行政機関は半分以上が水増しだった一方で、自治体では1割以下にとどまりました。
33都道府県で不正算入。最多は山形県
都道府県の機関別(教育委員会、市町村除く)では、33都道府県で不正算入があり、山形県の76人が最多で、愛媛県63人、島根県45.5人となっています。
河内新報によると「山形県の障害者雇用の不足数は、民間企業であれば7900万円を超える納付金を徴収される規模だった」(10月30日)とのことです。
民間企業の従業員が45.5人以上いる場合、法定雇用率2.2%を上回ることが求められています。従業員100人超であれば、定められた目標より1人不足すると、原則月5万円の納付金が課せられ、雇用に消極的な企業名は公開されることもあるのです。