福利厚生を活用した“第3の賃上げ”は地方にも広がるか?「大阪アクション」が始動!

物価高騰は止まることなく、賃金を上げても高くなる税負担もあり、実質賃金はマイナス成長し続けている。この窮状を打破すべく、2024年2月に株式会社エデンレッドジャパンが発起人となり、賛同企業20社で立ち上げた「第3の賃上げ」プロジェクトは、160社まで拡大。株式会社エデンレッドジャパンが提供する食事補助サービス「チケットレストラン」の契約数は2021年から約7.3倍となった。
「第3の賃上げ」とは福利厚生だ。第1の賃上げは「定期昇給」、第2の賃上げは「ベースアップ」、それに続く「第3の賃上げ」として定義した。人材定着率の向上を狙うのが目的だ。
関東圏で浸透してきた「第3の賃上げ」を地方へ拡大

2025年2月に関西経済連合会と連合大阪の定期協議の場である大阪労使会議でも、物価高騰が生活者と中小企業に大きな影響を与えているという話があり、物価上昇に負けない賃上げの実現と定着が重要と呼びかけられていた。
「第3の賃上げ」を全国に展開していくため、2025年は地域グロースアクションを実施する。第一弾は「愛知アクション」であり、今回の「大阪アクション」は第二弾である。生活出費を補助する「freee福利厚生 ベネフィットサービス」を提供するフリー株式会社、そして、「家事代行サービス」を提供する株式会社ベアーズが、株式会社エデンレッドジャパンと連携して当プロジェクトを展開する。
現段階で、関東圏の「第3の賃上げ」認知度は50%に近いが、それ以外のエリアでは20%から30%の認知度だ。まずは、中小企業の数が多い愛知、大阪で実施を決めたという。
今回は大阪府限定で、三社横断でそれぞれ違ったキャンペーンも実施する。
賛同企業は「第3の賃上げ」を活用してそのメリットをどう感じているのか

トークセッションでは、賛同企業三社が活用してのメリットを語る場面があった。
高齢者の福祉施設を運営する株式会社ハートコーポレーションの常務取締役・岡嵜将志氏は「チケットレストラン」を活用している実感を語った。
「近年の急激な物価上昇の影響を職員が直に受けており、日々の食費が圧迫されていると感じたことから、職員の食事をサポートしたいと思い、チケットレストランの導入を決めました。医療、介護業界は国が決めている診療報酬で職員の給与が決まるので、企業単位での自由な賃上げが難しい背景があり、福利厚生で職員の実質手取りを増やす「第3の賃上げ」は職員へ利益を還元するための有効な手段だと考えます。職員からは『チケットレストランが生活の一部になっている』という声があり、離職防止の理由のひとつにもなっています。給与での差別化が難しい業界での他社との差別化にもなり、採用面の強化にもつながると思います」
主に店舗やオフィスなど商業施設の空間デザインの施工を手掛けている株式会社デフデザインオフィスの取締役副社長・飯田琢磨氏は、「freee福利厚生 ベネフィットサービス」を活用している理由を話す。
「給与を直接上げるだけではなく、福利厚生を活用して“日々の支出を減らす”ことで、結果的に手取りが増えるという仕組みなら、中小企業のように大幅な昇給が難しい場合でも、従業員の生活をサポートできますし、なにより社員が毎日実感しやすいのが魅力だと思います。福利厚生というと大企業のものと思われがちですが、小さなコストで簡単に導入できる福利厚生もあるということを私も半年くらい前に知ったばかりです。会社と社員の双方にプラスになる取り組みが簡単にできるということを多くの企業に知っていただけたらと思います」
企業が抱える売上アップやブランディング、集客などの課題をデザインで解決するアルファクリエイト株式会社の代表取締役社長・荒川弘也氏は、「家事代行サービス」を重宝している理由を伝えた。
「賃上げというと『給与の引き上げ』ばかりが注目されがちですが、福利厚生の充実を通じて実質的な所得向上を実現できることは、特に中小企業にとって大きなメリットです。従業員の生活負担を軽減し、より働きやすい環境を提供することで従業員のエンゲージメント向上にもつながり、結果として企業の成長にも貢献します。多くの企業が人材確保に苦労する中で、『働きたい』『続けたい』と思える職場づくりが、これからの企業競争力を左右すると考えています。したがって、第3の賃上げをまだご存じでない企業の方々には、『単なるコスト増ではなく、長期的に企業と従業員双方にとってプラスになる施策である』ということを、ぜひお伝えしたいです」
三社それぞれからメリットを実感している言葉が並ぶ。「第3の賃上げ」を導入することで社員の生産力は底上げされ、社会にとっても大きなメリットがありそうだ。その企業に合った「第3の賃上げ」に該当するサービスと提携するのが当たり前の時代はいずれ来るのかもしれない。