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挑戦する勇気をもらえる本!人生の節目節目で決断し道を開いた国際線外資系CAの生きる指南書【今読みたい本の話】

話題の新刊から、名前は知っているけれどなかなか手が出ない古典まで、時事性の高い政治・経済ニュースの見方が深まる良書の書評を、大手メディアで取材記者歴30年、海外駐在経験もあるジャーナリストが担当する。

そんなジャーナリストがお勧めする今読みたい本は……。

Ryucrew著〈国際線外資系CAが伝えたい 自由へ飛び立つ翼の育て方〉(KADOKAWA) 

「元気をもらえる本」と言えば本書を指すのだろう。

著者は、バンクーバーに拠点を置くカナダの航空会社で客室乗務員として働く30代男性で、〈関西弁CA/Ryucrew〉のチャンネル名で知られる人気ユーチューバーでもある。

チャンネル登録者数は25万人を超える。その人気動画で紹介したエッセンスをちりばめつつ、仕事で訪れる各地の様子、家族やパートナーといったプライべートな部分も含めて軽妙なタッチで著者は本書を書き下ろしている。

エコノミー座席でお勧めのシートだとか、行き先が決まっている場合には、時間が掛かるものの経由便を使って旅行すると安く済むだとか。

独特のセンスで構成され、客室乗務員としての視点で語られる情報は新鮮でとても興味深い。

人生の節目節目で自ら決断し道を開いていく様子は印象的

著者とカナダとの縁は大学時代の留学に始まる。

本書を読み進めると、現在のパートナーを含む多くの人との出会いや、異文化での生活体験が、その後の人生に大きく影響していると分かる。

カナダ留学後に日本の大学を卒業し、客室乗務員として航空業界で働きたいという少年時代からの夢を実現するために著者は、成田空港ベースのLCC(格安航空会社)に入社する。

仕事の基本を1年間学んだ後、カナダの航空会社に応募して採用試験を突破する。人生の節目節目で自ら決断し、道を開いていく様子は印象的だ。

動画作成とYouTube投稿に一時解雇中に挑戦

本書では、カナダの航空会社で客室乗務員として働く中で、さまざまな困難に直面し、悩みながらも前向きに乗り越えていく様子が書かれている。

外国企業で日本人が働くにあたっての難しい人間関係および文化の違いをどう乗り越えてきたのかといった体験談、子どものころから女手一つで育ててくれた大阪のオカン(母親)への感謝、ならびにパートナーへの思いもつづられる。

世界的に広がったコロナ禍では、約1年4カ月にわたって一時解雇(レイオフ)に見舞われた。しかし、まさにその間に、動画作成とYouTubeへの投稿に挑戦したのだ。

本書は最後に「人生は自分次第で、どうにでもしていくことができる」「自分らしさを忘れず、思うままにその1歩を踏み出したい」と記す。

さまざまな挑戦ができる若い世代にお勧めしたい一冊である。

[文/H.Nack]

在京の大手メディアで取材記者歴30年。海外駐在も経験。

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