リモートワーク下でも「コミュニケーション不足」に陥らないテクニックとは
コロナ禍を通して急速に浸透したものといえば、リモートワークと答える方も多いのではないのでしょうか。総務省の発表によると、リモートワークを導入した企業の割合は前年比で倍以上の47.5%に達したそうです。リモートワーク推進の取り組みは2007年からすでに始まっていたものの定着に至っていなかったことを考えれば、コロナ禍でいかに急速に導入が進んだかがわかると思います。
急なリモートワークの導入によって、コミュニケーション不足から円滑に仕事を進められない、生産性が下がったと感じている人も少なくないのではないでしょうか。せっかく導入に至っても、生産性の低下や業績不振に陥ってしまっては意味がありません。オフィスに社員が集まらなくてもコミュニケーションを活発化し、出社をして働いている時と同等以上の生産性や業績を出すためには、ちょっとしたテクニックが必要になってきます。
リモートワーク下でも「コミュニケーション不足」に陥らないテクニックとは
弊社はまだリモートワークという言葉が定着していなかった2013年の創業時から、すべてのスタッフが世界中から完全リモートで業務を行っています。約80名のスタッフが、完全リモートながら自社サービスやコンテンツの売り上げを伸ばす生産的な働き方ができている秘訣は、相手から何かをしてもらった時に自分もお礼やお返しをしたくなる心理現象の「返報性の原理」を活用していることです。
具体的には、日々のミーティングやチャットのやりとりにおいて下記のように取り入れています。
- 0.最低限の環境と相手の準備:見た目と背景に気を付ける
リモートだからこそ見えている部分が気になります。映像フィルターをかけて肌を綺麗に見せたり、バーチャル背景で余計な情報が入らないようにします。 - 1.興味の返報性:相手に興味を持つしぐさと相槌
例えばミーティングをしていて、相手からもっと意見やアイディアを引き出したい時に、相手の話に対して「うん、うん」と頷く、笑顔で聞く、拍手をする。興味があることを言葉じゃない形で伝えます。 - 2.好意の返報性:ポジティブな単語と相槌で、雰囲気の醸成
相手が話したことへの相槌を「その通りですね」「すばらしいですね」、例え反対意見でも「その視点は斬新ですね」「新しい考え方ですね」など、否定せずより多くの情報が出るように相槌をうち、深堀りしていきます。チャットやメールでも「さすがですね」「興味深いです」 などの言葉を添え、ポジティブなアクションを起こすことで、「もっと詳しく伝えよう」「もっとアイディアを出そう」というお返しの気持ちを相手が持ってくれるのです。 - 3.見返りを求めない好意の返報性:影褒め、第三者褒めをする、悪意の返報性の回避
やりがちなのは、ミーティング中に第三者を堕として画面の相手を誉めてしまう方法。比較はわかりやすい指標ですが「この人は他でも言っているのでは…?」と疑心暗鬼になります(悪意の返報性)。第三者を誉め、良い事例を示すことで「良い部分を見つけ出す」という引き継ぎを行っていると考えましょう。
「情報」は「言葉」で引き出せる
言葉と行動でアクションを起こすことなら、誰でも簡単にできます。コストをかけず重要な情報という大きなリターンを引き出せるので、返報性の原理は非常に採算性の高いコミュニケーションと呼べるでしょう。
たかがリアクションや言葉ひとつと思うかもしれませんが、日々のコミュニケーション全てから、意見やアイディア、情報が多く集まるようになれば、それだけ社内のプロジェクトも活発に動き、個人の生産性が上がり、最終的には会社の業績向上に繋がっていくのです。
<TEXT/山本琢磨>
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※参考元 令和2年通信利用動向調査
https://www.soumu.go.jp/menu_news/snews/01tsushin02_02000154.html
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