東南アジアの発酵大国に挑む「日本の味噌」マルコメ現地法人社長に聞く“勝算”
マルコメブランドはタイでも有名?
「タイが日本食ブームであったことも理由のひとつですが、アジアの中央に位置する国であり他国への影響力が高いとう点もあり販売拠点を設けることにしました」と同社の代表取締役社長の山本佳寛さんは語ります。
その後も、味噌の需要は拡大し、売り上げは右肩上がり。日本食人気で伸びる個人消費やレストランなど向けの業務用のほか、タイには輸出を主とする日系の食品加工工場もたくさんあるからです。例えば鯖の味噌煮缶などの製造に使われています。
「コロナ禍でも売り上げは大きなマイナスにはなりませんでした。レストランや工場が閉鎖されても、家ごもりでの消費が高まったからです」
トウモロコシや海苔を試食に用意
一方、現況に甘んじることなく、味噌製品の認知度を高めるためイベントをグレーター・バンコク(バンコク首都圏)で開催。年間20回程度行い、販売促進をしながらのリサーチをし、消費者のニーズを追っています。
味噌の試食の際、それに合わせる物としてワカメや豆腐の他、チーズ、トウモロコシ、海苔なども用意したそうです。味噌汁に対する固定概念がない中、タイ人が馴染みやすい物を選んだのです。
2019年2月にはアンテナ・ショップである「発酵らぼ」を市内にオープンしました。同社の味噌や糀甘酒といった発酵食品を置いている他、味噌手作り教室といった発酵をテーマにしたイベントも不定期に行っています。またマルコメの本社がある長野県の物産も展示販売しPRしています。