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マカロンブーム火付け役として25年。「ピエール・エルメ」トップに聞く、コロナ危機の奮闘

ビジネス

「特別な存在」としてあり続けるために

PH PARIS JAPON

青山にあるピエール・エルメ・パリの日本旗艦店。写真は2階に位置するオート・パティスリーの体験空間「Heaven (ヘブン)」

 ホテルニューオータニに次いで、舞浜のイクスピアリ(現在は閉店)、初の路面店となった青山ブティックなど、着実に店舗拡大を図っていく。

まずお店を出すことができれば、そこにコミュニティが作れます。お客様が商品を手に取って見られるのはもちろん、新たなコレクションを発表したときの販促や、クッキングセミナーやトークショーといったイベントの開催などを地道にやってきたことで少しずつピエール・エルメ・パリの名前が認知されていったと考えています」

 こうしたなか、ピエール・エルメ・パリが「特別な存在」として人気を博すようになったきっかけは「他が真似できない『味の組み合わせ』や『珠玉のスイーツへと昇華させる創造性』にある」とリシャール氏は語る。

「調香師のようにフレーバーの選定や味や食感の組み立てなどを多様に展開し、誰も想像できないような美味しさを追求してきたのが、ピエール・エルメ・パリならではの強みになっています。とりわけ、日本の素晴らしい食材にはかねてから着目していました

一番人気の売れ筋は不動のマカロン

PH PARIS JAPON

クリスマスコレクション2022よりマカロン 18個詰合わせ「シニャチュール ノエル」

わさびや抹茶、ゆずなどを積極的にお菓子へ取り入れ、独自の味を創作していったのです。今ではマカロンや生菓子、焼き菓子、チョコレート、パウンドケーキなど、ラインナップを拡大し、年間で150種類くらいの商品を新たに生み出しています」

 現在は多くのスイーツを扱っているピエール・エルメ・パリだが、やはり一番人気の売れ筋はマカロンとのこと。全体の売上に占める割合は5~6割に上るという。

マカロンは焼き菓子と生菓子の間の“半生菓子”なので、さまざまな味の組み合わせや色のバリエーション、食感に至るまで工夫を施すことができるため、非常に面白いスイーツだと感じています。

 1個数グラムという、一口で食べられるサイズのものですが、いかにして食べたときの幸せな気持ちやときめき、至高の美味しさを創出できるか。マカロンで表現できることは無限大にあり、とても奥深い世界だと思っていますね」

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