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転職した「10年後に後悔する職場」の特徴。汎用性あるスキルが身に付かないのは

学び

ひとつの職場しか知らないリスク

 ここでひとつ、シミュレーションをしてみましょう。

Q:あなたは今、中途採用の面接官として2人のビジネスパーソンと面談中です。どちらを採用したいと思うでしょうか?

A▼新卒入社した会社で経理ひと筋。キャリア20年。
B▼Aと同じく経理専門。1社目5年、2社目5年、3社目10年の合計3社でキャリア20年。

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 経理としてのキャリアは同じ20年。私ならこう考えます。

 たしかにAさんは、ひとつの会社に20年も勤続できる我慢強さを持ち、職場への忠誠心も高いのかもしれない。しかし、ひとつの職場でしか通用しないスキル、すなわち汎用性が低い可能性がある。そうなると、プロとして専門性が高いと言えるのでしょうか

市場価値をぐっと高める経歴

職場

 一方、Bさんはどうでしょう。Aさんと比べると、忍耐力や忠誠心は低いのかもしれない。しかし、どの職場もすぐに辞めているわけではないので、自分のキャリアをデザインする意識は高そうです。そこから仕事に対する自主性や主体性も垣間見える。

 また、3つの異なる職場で経験を積んでいるので、適応力や汎用性もAさんより高いと思われ、即戦力として期待できそうです

 繰り返しになりますが、高い専門性はもちろん大きな魅力ですが、今の職場でしか通用しないとなれば話は別です。あくまで汎用性があってこその専門性であり、そのためには、越境体験が欠かせません。

 たとえば、もしAさんの説明に「外部で経理の講師を務める」などの経歴が加わっていれば、印象はまったく変わってくるはずです。そこまでではなくとも、前述したクロスファンクション、社内の新規事業や情報システム部との連携に積極的に参加した経験があれば、Aさんの市場価値はぐっと上がります。

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