「5W1H」では足りない。成果を出す人が意識する「目標細分化」のコツ
適切なPDCAを回すためには、まずは正確な目的地までの地図(PLAN)を描くこと。そのためのTIPS(コツ)として、「目標150%対比で計画を考える」「やるべきことの羅列ではなく、重要成功要因(急所)を見極める」「効果測定指標で修正の仕掛けを作る」といったことを紹介してきました。
これで、「目的・目標達成のための計画はばっちり! いよいよ計画を実行だ!」と行きたいところですが、実は最後に乗り越えなければならない壁があります。それが「実行の壁」と呼ばれるもの。
PDCAの中で最も重要なのは「PLAN」ですが、最も難しいと回答する人が多いのは実は「DO」なのです。どんなに目標達成に効果的な計画を立てることができたとしても実行できなければ、成果にはつながりません。
今回の記事では、これまで約1000社に及ぶ企業の人材育成の支援を通して、5万人以上のビジネスパーソンと接してきた筆者(荻野純子)が、「実行の壁」を乗り越えるためにPLANに盛り込むべき秘策をお伝えしましょう。
「できなかった」「やれなかった」原因は?
その秘訣とは、実行できる人とできない人の「差」に着目すると見えてきます。「できなかった」「やれなかった」という人は次のような計画を立てる傾向があります。
・新規開拓を強化する
・満足度改善に取り組む
・既存客に再アプローチする
さて、これらは何が問題でしょうか。そう、「具体性」です。PLANが抽象的であればあるほど、最初の1歩目を踏み出しづらくなり「実行の壁」を乗り越えるが難しくなるのです。
逆に、私が支援し続けているハイパフォーマーの方たちに共通するのは、常に計画が具体的という点です。目標達成のためには「何を、いつまでに、どれくらい、どのように行い、どんな結果を生み出すのか?」が明確な計画になっているということですね。
どうやって「コミュニケーション強化」するのか
抽象的と具体的の見分け方のコツは「誰が見ても分かる状態」かどうか。例をあげて考えてみましょう。
例えば、計画のひとつに「お客様とのコミュニケーション強化」というアクションを掲げた場合。これだけでは人によって「お客様へのメールの頻度を高める」という方法を連想するかもしれませんし、「お客様への訪問」という方法を連想するかもしれません。
また、「誰が」「いつまでに」「どのくらい」するものかが違ってきますよね。このように人によって解釈に違いがでてきてしまう状態では具体的とは言えません。