大幅値上げの新しい「iPadとiPad Pro」買い換えのメリットはある?唯一の“最大の難点”は
M2搭載のiPad Proの進化点は?
iPadと同時に発売となる第6世代iPad Proにも目を向けてみよう。こちらはM2チップを搭載した点が一番の進化となる。昨年のモデルがM1搭載だったこと、今年発売されたMacBook AirやMacBook ProにはすでにM2が搭載されていることを考えれば、予想どおりといったところだ。
それ以外は先代モデルから大きな変化がみられないものの、小さな進化として、Apple Pencil描画時の「ホバーモード」が追加されている。これは、画面からApple Pencilがディスプレイから最大12mm上まで検知されるというもので、画面からApple Pencilを少し浮かせた状態で文字や絵を描くことが可能になるという。
なお、iPad Proは、昨年発売の第5世代で初めてAppleシリコンが採用された。昨年のモデルを使っているユーザーであれば、買い換えの必要はなさそうだが、それ以前のiPad Proを使っていて、処理能力に不満を感じているなら、買い換えを検討する余地はあるかもしれない。
モデル間の差が小さく。ますます悩ましい
今回の新モデルの発表で、iPadの各モデルの差はますます小さくなった。無印iPadがホームボタンが廃止とUSB-C端子採用によってiPad Airに近くなり、今年春に発売されたiPad Airは、Apple Silicon採用でiPad Proに近づいている。
ユーザーとしては、どのモデルを買うべきかの選択が非常に悩ましくなるが、ひとつの基準となるのは、「画面の大きいスマホ」と、「キーボードを外せるノートPC」のどちらに近いものを求めているかだ。スマホに近い使い方であれば、無印iPadで十分満足できるだろう。旧世代とはいえ、iPhone 12と同等のプロセッサーを積んでいるので、操作性に大きな不満はないはずだ。
一方で、ノートPCの代わりとして出先の作業にガンガン使いたい、高い処理能力の求められるクリエイティブ系アプリの出番が多いという場合は、iPad Pro、その中間程度の使い方という場合はiPad Airという切り分けが、ひとつの基準となりそうだ。
<TEXT/酒井麻里子>