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北海道で“圧倒的支持”を得るローカルコンビニに聞く、こだわり「カゴは業界一大きい」

ビジネス

 コンビニ業界は永く店舗数はもとより、サービスそのものも飽和状態であり、差別化が難しいとされている。

セイコーマート

セイコーマートの人気の秘密に迫る

 しかし、北海道を中心に店舗を展開するコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」は、他チェーンとは異なる独自の立ち位置を築いている。道民との強い絆を示す『セイコーマートFANBOOK』(宝島社)なるムックも発売されているのだ。

 運営する株式会社セコマの広報担当の赤塚美菜穂氏に「道民から愛される理由」を聞いた。

コンビニではなく、「セイコーマート」に行く

 北海道を中心に1176店舗(うち茨城84店舗、埼玉9店舗、2022年8月末現在)を展開するセイコーマート。コンビニというと、自宅や職場の近所にあることが通う理由になることがほとんどで、固定のファンなどはつきにくい印象があるが、北海道民がセイコーマートを語る熱量はどこか「地元のスター」を語るような温度感さえ感じられる。同店は他のコンビニと何が違うのか。赤塚氏は次のように話す。

「コンビニエンスストアでは珍しく、店内で調理する『ホットシェフ』というお弁当のシリーズが大変好評です。また、牛乳やアイスも北海道産のものを使って自社で作っています。

 特にアイスは、北海道牛乳ソフトや北海道メロンソフトなど、かなりの種類を作っていて、当店でしか購入できないものが多いですね。そのため、『コンビニに行こう』ではなく、『セイコーマートに行こう』という感覚でご来店されているようです

スーパー感覚だからこそ、大きなカゴを採用

セイコーマート

店内調理がウリだ

 大手のコンビニでも、店内調理はしているが、それは例えば工場で1度揚げたものをお店で再度揚げて出していたりすることがほとんど。一方でセイコーマートでは、年間1000万個以上売れているというフライドチキンは、店内で生の鶏肉から調理しており、より本格的な味わいが楽しめる。さらに、商品以外にもウリにしているポイントがあるという。

「自社調べですが、同業他社の中で1番大きいカゴを使っていると思います。これは、他のコンビニさんと違って、青果やお惣菜なども豊富に展開しており、スーパーのように利用されるお客様も多いためです。また、もともとお酒の卸売から始まった会社なので、お酒の販売にかける情熱もひとしおで、豊富な種類を用意しています。

 そのため、コンビニとしてだけでなくスーパーのように利用していただくお客様が多いんです。また、コンビニがセイコーマートしかない町村が道内に40以上あり、そうした地域をはじめとした一部店舗では、大きなカゴだけでなく、コンビニとしては珍しい買い物カートも置いています」

セイコーマート FANBOOK (TJMOOK)

セイコーマート FANBOOK (TJMOOK)

セコマのこだわり、セコマトリビア、セコマ商品特集、セコマの歴史、セコマ工場に潜入、セコマを愛する人たちのコーナーなどなど……セコマだけで丸ごと1冊作ってしまいました。

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