「豆柴の大群」仕掛け人たちが語る、自由を勝ち取るための仕事術
ちゃんとしている度合いは高まっている
渡辺:僕だったら、そういうことは先に自分で言っちゃう。寝坊して遅刻する時、いちばん最初に「寝坊しました」って連絡を入れる。結構今の子は先に言い訳を考えちゃうから、それはすごく無駄なことしてんなって思う。何も得がないですよね。
藤井:言い訳をしていいことはないですからね。
渡辺:めちゃめちゃ面白いバレバレなウソを言ってくれたら、それはそれで面白いんですけど(笑)。めちゃめちゃ面白いが肝なんで多分無理ですけど(笑)。
藤井:ちゃんとしてる人の割合は、増えている気がするんですよね。平均的には、過去の人間より今の人間のほうが“ちゃんとしてる”度合いは上がっている印象がある。でも、合理的になるのと引き換えに、無駄もなくなってるから、面白みは少し減っちゃってる気もして。
渡辺:たしかに考え方は合理的で、「これって何の意味があるの?」みたいな話は多い気がするんですけど、一方でしなくていい言い訳を考えちゃう。人に対しての接し方がクソ下手っぴな気がします。
キャリアと対人関係
――“こだわりが強い”ことを自認するお二人ですが、キャリアを重ねると、人に任せる部分も出てくるかと思います。そういう時は、どういうスタンスでいるのでしょう。
渡辺:僕は全部“他力本願”。実は自分で作っている意識があんまりないんです。大枠は作りますけど、その後は任せちゃう。歌詞は書くけど、その後は演じてくれるメンバーがいて……っていうように、“後はみんながやってくれる”という感覚です。
藤井:ヒャクゼロのことなんてないけど、最終自分が責任とらないといけないことが多いので、そういう意味では人に“期待”しない、といえばしないです。もちろん人に任せることで助かるところもたくさんあるし、一緒にやってくれる仲間もいっぱいいるんですけど、最終孤独だなって思うことは多いですね。自分の考えていることとまったく同じことをしてもらうことはできないというか。誰とも共有できない気持ちは結構あります。