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菅直人元首相「ヒトラー発言」騒動で思わぬ”余波”。橋下氏と維新の関係はグレーゾーン

ビジネス

文通費問題はどうなった?

 菅議員のツイッターでヒトラーになぞらえて批判された橋下氏は「国際的にご法度」とし、自身が司会を務めるネット番組で立憲民主党の泉健太代表に詰め寄りました。泉代表は問題なしとの見解を表明し、橋下氏も過去に他人をヒトラーになぞらえて批判していたことを指摘。一連の経緯から、橋下氏もトーンダウンしています。

 橋下氏は矛を納めた格好ですが、維新は政党で動いていることもあり、簡単には怒りの矛を納められません。矛を納めてしまえば、立憲民主党から反撃されることもあるからです。ただし、維新は新しい話題を次々と提供することで、問題となっていた事柄を有権者から忘れさせることに長けている政党です

 例えば、2021年11月から年末にかけて、維新は国会議員に月100万円が支給される文書通信交通滞在費を話題にしていました。文通費は、吉村知事がツイッターで発信したことから世間の関心を集めます。その後、維新の議員たちも相次いで文通費を問題提起していきました。

 しかし、吉村知事も衆議院議員時代に1日の在職期間で満額受け取っていたことが判明してしまうのです。さらに、文通費問題は政治とカネの問題へと広がっていきます。より多額な政党助成金の問題に話題が移ると、元維新で衆議院議員だった丸山穂高氏による暴露ツイートなどもあり、維新は完全にトーンダウン。

“身を切る改革”を標榜しているのに…

吉村洋文

2020年11月1日実施の住民投票で反対多数となったことを受けての記者会見で進退を問われた吉村洋文知事

 維新は“身を切る改革”を標榜する政党です。本来なら、政党助成金は真っ先に問題視しなければなりません。しかし、政党助成金に対しては歯切れが悪いのです。

 あれだけ文通費について追求した維新の議員たちが、今はそれを忘れて次の話題に移っています。こうした維新議員たちを見ていると、とにかく目新しい話題に飛びつきたいだけなのでは? と見えてしまうのです

 維新議員が、耳目を集めがちな話題にばかりに手を出す理由は、ひとえにスター性のある国会議員が不在だからです

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