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50年ぶりの経済危機が米国を襲う?元ゴールドマンFMが「2022年の世界経済」を解説

コラム

米国のインフレは“一時的”でない?

 果たして米国のインフレに歯止めはかかるのか?

「CPIの3~4割を占めるのが『Shelter(帰属家賃)』ですが、これは住宅価格(ケース&シラー指数)に対して12か月遅れで反応する傾向があります。その住宅価格は右肩上がりを続けているため、2022年の今頃までShelterが上昇を続け、CPIを押し上げる可能性が高い。つまり、インフレはまだまだ続く

CPIを押し上げる「帰属家賃」

CPIの3~4割を占める帰属家賃は住宅価格指数から12か月遅れて綺麗に反応する傾向がある。少なくとも向こう1年のインフレは濃厚か

50年ぶりのスタグフレーションの可能性

不況

 アミン氏が懸念するのはインフレと景気後退が同時進行する「スタグフレーション」だ。

「コロナ対策では総額4.8兆ドルがバラまかれました。バイデン政権はインフラ投資法案などを進めていますが、その規模は5~10年で総額1兆ドルにすぎません。さらにバイデン政権は富裕層への増税を検討しています。増税と財政支出削減の組み合わせはGDPを押し下げる要因となる。インフレと景気後退により、アメリカ経済を50年ぶりのスタグフレーションが襲う可能性があります」

 インフレ抑制に失敗するようなら米株安が世界に波及するのも必至。金融政策ミスと景気後退が重なれば、2022年は米国発のスタグフレーション・ショックが顕在化する年になりかねない。

【まとめ】
・物価上昇は一時的にあらず。2022年の利上げが濃厚か
・11月の中間選挙をも大きく左右するインフレの動向に注目

<取材・文/¥SPA!編集部 図版/ミューズグラフィック>

【アミン・アズムデ】
クリプタクト代表取締役。2004年にGS入社した後、ファンドマネジャーとして活躍。退職後、同僚と投資SNSや仮想通貨損益計算サービスを提供するクリプタクトを創業。共著『ゴールドマン・サックスで2000億円を運用していた機関投資家が教えるプロの投資

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