女性の当選者は1割未満。衆院選でわかった日本政治の“後退ぶり”
写真撮影を固辞した高市早苗議員
そんな自民党ですが、衆院選に先立って実施された総裁選には4候補中2人が女性候補でした。自民党総裁選には、これまで小池百合子議員(当時)が出馬した過去がありますが、同時に2人の女性が立候補したことはありません。
総裁選に立候補した女性のうち、高市早苗議員は2012年に自民党総務会長に就任。これは女性初の自民党総務会長でもありました。筆者は、月刊誌のインタビューで就任したばかりの高市総務会長に話を聞きに行ったことがあります。
総務会長室でひと通り取材が終わった後、同行していた編集者が「今後、女性初の総理を目指すという意気込みが伝わるような写真を撮りたい」と希望しました。室内には党旗と日本国旗が立てられていたので、それらの旗とともに高市政調会長を撮れば貫禄と風格を醸し出す写真になる。そう考え、ポーズをお願いしました。
しかし、高市政調会長は固辞。はっきりとした理由は聞けませんでしたが、インタビュー中の言動から察するに、年配の男性議員に配慮したのではないかと感じました。仮に、男性の政調会長だったら、快諾してくれたははずです。
女性議員だったから受けた仕打ち
私がインタビューをしたことがある自民党の女性議員は、ほかにもたくさんいます。三原じゅん子議員にも、参議院議員に当選したばかりの頃に月刊誌の取材で話を聞きに行きました。
三原議員は厚生労働副大臣という立場もあり、受動喫煙の防止対策に力を入れています。が、党内の説明会で自民党の男性議員から大きな反発を受けました。もし、男性議員の説明だったら、同様の対応になったのか疑問が残ります。
三原議員は、先の総裁選ではリベラルと見られていた野田聖子候補の推薦人代表として立ち回りました。その際は、保守的な支持者から批判を受けました。これも、女性議員だったから受けた仕打ちという気がしてなりません。