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女性の当選者は1割未満。衆院選でわかった日本政治の“後退ぶり”

ビジネス

都政に専念してほしいのは当然だが…

小池百合子

2017年に希望の党を結成して衆議院選挙に臨んだ

 現職の都知事に対して、都民が都政に専念してほしいという思いを抱くことは当然と言えば当然です。しかし、現職の知事や市長が特定の政党や特定の候補者を選挙で応援することだけをもって批判されるのは女性だけです。

 仮に、これが男性の政治家だったら起きなかった批判です。実際、今回の衆院選では、大阪府の吉村洋文知事が日本維新の会を応援するために全国を駆け回っています。吉村知事に対して「府政に専念しろ」という声は強く出ていません。

日本の政治はスタート地点にも立てていない

 そうした状況を踏まえると、政治を取り巻く社会は男尊女卑の考え方が無意識ながら残っているといえます。この男尊女卑を少しずつ改善していくことが求められています。

 繰り返しになりますが、今回の衆院選で女性議員の比率は9.7%に下がりました。10人に1人以下という割合です。これは、明らかに低い数字と言わざるを得ません

 だからといって、「女性だから票を入れる」「女性だから当選しやすい」というような女性を優遇する社会をつくろうと言いたいわけではありません。政治分野の男女共同参画推進法は、「女性が政治に参加しやすい」社会を目指しているにすぎません。

 日本の政治は、そうしたスタート地点にも立てていない状況です。

<取材・文・撮影/小川裕夫>

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある
Twitter:@ogawahiro

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