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女性の当選者は1割未満。衆院選でわかった日本政治の“後退ぶり”

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 2021年10月31日に投開票された第49回衆議院議員選挙は、自民党が単独で絶対安定多数となる261議席を確保する結果に終わりました。そして、立憲民主党などが「ジェンダー平等」を掲げましたが、有権者の心に響く政策にはならなかったようです。

小池百合子議員(当時)と三原じゅん子議員

2013年に幕張メッセで開催されたニコニコ超会議2では、石破茂幹事長と並び小池百合子議員(当時)と三原じゅん子議員(当時)が並んで登場

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 それにもかかわらず、複数の政党が強く「ジェンダー平等」を打ち出しました。なぜでしょうか? そこには、我が国の男女格差が大きく、それを政治の力で是正しようとしたからです。政界における男女バランスについて、首相官邸や政界の取材歴が10年超のフリーランスカメラマン小川裕夫@ogawahiro)が解説します。

男女格差を解消する目的の法律を成立

「隗(かい)より始めよ」の故事にならい、国会では男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党などに求める「政治分野の男女共同参画推進法」を2018年に成立させています。今回の衆院選は、同法が成立して初めての衆議院選挙になりました。果たして同法の効果はあったのでしょうか。

「男女共同参画推進法」は男女格差を解消する目的の法律です。男女格差の是正に取り組むことは好ましいことですが、社会は少しずつしか前に進みません。一気に社会を、人々の意識を変えることはできません。そんな魔法はないでしょう。

 とはいえ、このまま何もしなければ男女格差は解消されません。有権者の一票が当選者を決めるため、当選者の男女バランス取ることは容易ではありません。各政党が候補者を男女同数に調整することは、さほど難しくありません。

他党の女性候補の落選を残念がったら…

佐藤古都さん

佐藤古都さんは、他党の女性議員が落選したことを惜しんだツイート。写真は日本維新の会から出馬した2021年の都議選の様子

 しかし、政党によっては現職を優先するという方針があります。以前から男性議員が多い永田町では、すぐに候補者も男女同数にはできない事情があります。選挙後、こうした男女格差に異を唱えたのが佐藤古都(こと)さんです。佐藤さんは日本維新の会から都議選などに出馬した経験がありますが、衆院選には立候補していません。

 今回は、あくまで自党の支持を拡大させるために選挙応援などスタッフとして選挙戦をサポートしていました。佐藤さんはツイッターで自党の躍進を喜ぶとともに、他党から出馬していた女性候補の落選を残念がりました。

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