テレワークしづらい日本の家事情。米国人が実践する「新しい働き&暮らし方」が凄かった
「コミュニティ」を重視した暮らし方とは?
例えば、米国では、スポーツジムやスイミングプールやバーベキューエリアなどの共有スペースを設置したアパートメントやコンドミニアム(日本でいうマンション)は一般的だ。
「コ・リビング」では、これらのスペースを設置した上でさらに、仕事をする「コワーキング・スペース」や映画鑑賞をする「シアタールーム」や趣味のヨガや瞑想をする「ウェルネス・スタジオ」やパーティーを開催する「ラウンジ」など、住人同士が交流できる共有スペースをいくつも設けている。
また、住人同士が交流できるパーティーやヨガクラスや料理教室など、各種イベントも開催しているのだ。
センスが合う人たちと一緒に住みたい!
英国で2010年に創業した「ザ・コレクティブ(The Collective)」や2015年から全米12つの都市で75軒展開して6,478人(2021年11月4日現在)が利用している「コモン(Common)」など、欧米には数百軒の「コ・リビング」が存在する。
世界最大の「コ・リビング」のプラットフォームである「コリビング(Coliving)」では、現在(2021年11月4日)、60か国以上250都市にある1万1,000室の情報を提供している。
L.A.のベニスビーチ近くに2軒展開する「ヘイブン・コリビング(Haven Coliving)」では、住人の40%がウェルネス(Wellness。身体や精神の健康を重視し、生活の質を高めること)関連の職業に就いている人たちだ。
CEO(最高経営責任者)のロバート・オニール(Robert O’Neill)さんは、「コミュニティに貢献できて、ウェルネスに関心が高いことを住む条件にしている」と話す。「瞑想、ピラティス、最新筋トレのヒット(HIIT)、ボクシング、料理のクラスを毎週開催している」と説明する。家賃は795ドル(約9万円)から設定。
働き方と暮らし方の新しいバランスを考えた「コ・リビング」は、米国で1960年代に流行した「ヒッピー・コミューン(hippie commune)」の都市版を思わせるような流れとも言えそうだ。利用者は、デジタルノマドやリモートワーカーたちが多いという。「同じような価値観を持っている人たちに出会い、交流を行ない、関係を築いていく」ことで暮らす。日本でも「コ・リビング」は流行するだろうか?