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高市早苗「国会はみんなが見ていない」発言から解く、衆院選の争点/ラッパー・ダースレイダー

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選挙のキモは、“反国会派” vs “国会派”

国会議事堂

 パンデミック禍のドイツでは、コロナ対策に関する法案はすべて議会で話し合われ、議会で可決しています。勝手に決めて可決しているのではなく、国民の代表が集まる場である国会で「こういったものが必要だ」と発議し、審議し、決定していく。国民が見ている場でコロナ対策を決めています。これが国会の役割です。

 国会が何かを決めるというのは、国民に情報を共有して決めていくということです。これは民主主義国家の基本中の基本です。しかしながら、政権与党は野党の要請があるにもかかわらず、国会を開かない“反国会派”の姿勢を見せました。

 対して野党は、“国会を開こう派”です。国会を開いて、国民の選んだ代議士が議論する場で物事を決めていこうというスタンスが野党です。“反国会派” vs “国会”という非常に簡単な選択肢です。

 内閣は国会議員から選ばれている議院内閣制で、事実上自民党の総裁が内閣総理大臣をやっています。菅さん、安倍さん、今の岸田さんもそうです。つまり、総理大臣であると同時に自民党の総裁でもあるわけです。

「野党だったらうまくいかない」の違和感

 なので、党内では当然、議論をしているでしょう。内閣の閣議で話し合っているときも、各大臣は自民党員ばかりです。党内では話し合っているけど、国会では話し合っていない、話す必要がないと。もちろん専門家に話を聞いたりしているかもしれませんが、これは国会でチェックを受ける必要はないと考えている。

 ちなみに「野党だったらうまくいかない」とか、「自民党にしかできない」とか、そういった議論はすべて「主」である「民」である僕らがチェックできている前提で行うことです。

 今では国会は、官僚が用意した答弁を読むだけの儀式と化してしまいました。国民の問題を議論する場が国会だからこそ、今の国会のあり方を改める必要があると思います。

「常会」と呼ばれる通常国会は、150日間の会期と決まっています。2021年は1月から6月にかけて行われましたが、国会を通年で行わない進め方をしている日本は、世界でも非常にレアなケースです。

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