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高市早苗「国会はみんなが見ていない」発言から解く、衆院選の争点/ラッパー・ダースレイダー

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高市早苗「国会でずーっと議論してても…」

高市早苗

「自民党政権公約」発表時、高市早苗氏(※高市早苗公式HPより)

 さらに先日の総裁選に出馬していた高市早苗さんは10月10日のNHK『日曜討論』で、共産党の田村智子さんから「国会の中で議論してから選挙を迎えるべき」意見された際、「国会でずーっと議論してても、みんなが見ているわけではない」「早く選挙をすることが大事」という話をしていました。これはまさに“反国会派”の看板を背負うにふさわしい発言だと思います。

 選挙とは何かというと、国民が国会議員を選ぶものです。国会に出席する人を選ぶのが選挙なので、国会より大事だというロジックは、大学での授業よりも大学入試のほうが大事だと言っているのと同じです。目的と手段が逆転しています。

「本当に国会はすべての人が見ていないと言えるのか?」という前提から考えると、国会議員は僕たち国民の代わりに議論する代議士です。なぜ代議士が必要かというと、国民は自分たちで政治課題、社会課題、法案審議、予算審議をする時間を取ると、日常生活が送れないからです。だから僕らの代わりにそういった話し合いをしてくれる代議士を選ぶ必要があるのです。

国会は僕らが議論している場のはず

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「民」が「主」である民主主義というのは、「僕らが決める」という意味を持っています。「僕らが決めるが、それぞれの生活があるので、代わりに議論をしてくれる人を選びましょう」、これが代議士と呼ばれる議員の役割です。

 ただし、あくまでも代理人なので、代理人が勝手なことをしている、隠し事をしている、ということが判明したら、彼らは不適任になるのです。ですから、彼らには任期が決められていて、代理人は真っ当に代わりを務めてくれているのかを僕らがチェックできる。なので「国会をすべての人が見ているわけではない」という高市議員の発言はとてもおかしい話です。

 国会には僕らの代理人が全員揃っているはずですから。国会で話すことは、国民全体に話していることと同じです。国会で決めることは、国民全体に関わることです。国会で法案を決めるということは、国民全体に関わる法律を決めている。国会で決める予算は、国民にかかわる予算を決めているわけです。

 議員内閣制ですから、内閣総理大臣は僕らが選んだ国会議員の中で首班指名が行われ、決められています。総理大臣も僕らの代わりに、国政を担うという仕事をしてくれています。なので「民」が「主」である以上、国会は僕らが議論している場です

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