サラリーマンの熱中症、今さら聞けない「症状と予防法」
稲葉さんによると「今の時期に少しでも当てはまる症状を感じた場合は、熱中症を疑ったほうが賢明」とのことです。
さらに熱中症の怖さは遊びや仕事に“熱中”している時は体の異変に気づきにくいということが挙げられます。症状があとからでてくることもあります。
炎天下の校外学習から教室に戻ったのち、タイムラグで重篤な熱中症を発症した小学生の児童が死亡したニュースは、大きく報道されました。
熱中症のとき必要な応急処置
もしも熱中症になってしまったら、具体的にどんな応急処置が必要なのでしょうか。
「重症度I、IIの場合は、速やかに風通しの良い日陰に避難します。襟首とベルトを緩めて体を横にして楽な体勢になってください。そして水分と塩分をしっかり補給しましょう。その際、水は常温よりも冷却効果のある冷水のほうが好ましいです。
氷のうや冷却グッズで体を外側から冷やすときは、動脈がある首、腋の下、腿の付け根の3か所を重点的に30分ほど冷やします。それでも体の熱が下がらなかったり、意識に何だかの異変を感じたりした場合は重症度II~IIIに達している可能性が高いので、すぐに救急車を呼んでください」
環境省の「熱中症予防情報サイト」には、暑さ指数(WBGT)を使った警報が表示されています。暑さ指数とは、「湿球温度」「黒球温度」「緩急温度」という3の要素を取り入れた指標のこと。
この暑さ指数の実測値が28℃を超えると、熱中症患者が著しく増加するという結果が出ているので、「厳重軽快」という名称をつけて激しい運動はしないようにと呼び抱えています。
外出の際は天気予報と合わせて事前に確認しておくといいかも知れません。
<取材・文/永田明輝>
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