アマゾン本社も導入、“日本式の経営”が今も注目されている理由
今までの常識が通用しなくなる
最後に、意外に見落としがちなのが、中国や東南アジアなどこれまで安価な生産拠点として活用されてきた国の賃金が国際的に上昇しているということです。これまで、生産拠点を海外にシフトすればそれだけで製造コストが下がるという常識がありました。
しかし、この常識はもはや通じなくなっています。当初「賃金が安い」ということで世界中の企業から生産の仕事が集まったこれらの国は、仕事が集まったことによって経済発展し、賃金が上昇し、いまや「賃金が安い」とは言えなくなりつつあります。
その一方、日本企業は国際的に賃金が高い中で何とか生産効率を上げてきました。そこで、日本企業から高賃金でも低コストにできる経営技術を学ぶ必要があるという状況へとつながったわけです。
<TEXT/慶應義塾大学商学部専任講師 岩尾俊兵>