元NHK登坂淳一アナが告白する“白髪の真相”「最初は28歳。 32歳で4割白髪に」
自分たちは自分たちでできることを
――不妊治療に対する発信をしようと思ったきっかけは何だったのですか?
登坂:不妊治療に悩んでいらっしゃる方も多いなか、男性側から見た不妊治療という発信は、まだまだ少ないかなと。僕たちの場合、2回着床したものの、2回ともうまくいきませんでした。そして3回目は着床しないという経験をしました。
そこで、僕の体験ではありますけれども、実際どういうことをしたかとか、妻に対してどういう関わり方をしながら治療期間を過ごしたかといったことを伝えていけたらいいなと思っています。
うまくいかないときはどうしたのか、毎回、毎回一緒に病院に行くのか、検査の結果は一緒に聞いたほうがいいのか、あるいは妻だけのほうがいいのか……。いろいろなステップがあるなかで、ひとつの参考事例になればと。
――ちなみに不妊治療をするにあたって、どんな情報収集をしましたか?
登坂:情報収集としては、基本的に病院でしたね。ドクターに聞く。というのも、治療自体はすごく個人差があることだから、治療の進め方はドクターに聞いたほうがいいだろうと。
でも、「向き合い方」については、何を参考にできるかがわからなかったんですよね、本当に。身近に不妊治療をした人はいたと思うんですけれども、わざわざそういうことは言わないし、聞くのもセンシティブすぎて聞けない。やっぱり自分たちは自分たちでできることをやりながら、向き合って、考えていくしかないのかなと思いました。
妻とは「同じ歩幅でいるように」
――参考情報がないなかで、ブログでの発信が、「男性にとっての不妊治療への向き合い方」として1つの参考になればという思いですね。治療のなかで気を配ったことは、どういう点ですか?
登坂:いつも2人が同じ歩幅でいるように務めました。例えば妻ばかりが検査の結果を聞いてわかっていて、僕がわかっていない、というような状態にしないということです。女性のほうが負担の大きい不妊治療において、男性側が何も知らず見ているだけって、女性にしたら不安しかない。男性は理解するとか、考えるとか、それぐらいしかできないんです。
先生の、「今日はこういうことをやって、こういうことがあって、こういう結果でした」といった説明もすべて共有して、“どちらかだけ”がないように、2人の“レベル”を合わせていました。
――結婚生活において「同じ歩幅」を意識するのは、不妊治療以外もですか?
登坂:そうですね、結婚生活全般においてそう心がけています。そうしないと、どちらかに傾きすぎた時に、うまくいかなくなるんじゃないかなと思いますね。
→インタビュー後編<元NHK・登坂淳一アナの仕事論。「やりたくないこと」を考えるのも大事>に続く。
<取材・文/吉河未布 撮影/長谷英史>
【登坂淳一】
1971年生まれ。「麿」の愛称で親しまれた元NHKアナウンサー。NHK退職後は、フリーアナウンサーとして活動。バラエティ番組出演やYouTuberとしての活動が注目される。
オフィシャルブログ:「白髪のパパ」
YouTube:「登坂淳一の活字三昧」
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