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M-1敗退で芸人からIT営業マンに。33歳、初めての就活で50社落ちても楽しめたワケ

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履歴書に「学歴:高専卒 経歴:M-1準決勝進出」

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 33歳で初めてチャレンジする就職活動。希望業界は「IT営業」と決めていたといいます。

「これまでの経験を活かすには、話す仕事がいいだろうと考えていたので『営業の仕事をIT業界でしたい』とだけ決めていました。僕はITの話がもともと好きなんですが、元相方をふくめ、芸人さんってITが苦手な人がほんとうに多くて! これまでスマホやパソコンの操作など、困っている姿をたくさん見たし、サポートをしてきました。その経験から『困ってる人の気持ちがわかる、ITの営業マンがいたら強いんじゃないかな』と」

 就職活動で一番困ったことは「履歴書の書き方」だったとか。

「規定通りに書くと、経歴は“高専卒”どまりなんですよね。『でも俺、別にただ高専を卒業しただけの人生じゃないしな』と思い、『M-1グランプリ準決勝進出』など、芸人時代のことも履歴書に書きました。そのほうが僕という人物をわかってもらえるだろうし、そういう僕を求めていない会社は遠慮なく落としてくれればいい。その経歴を見て落とすような会社は、こっちだって行きたくない、くらいに思っていました。結果、50社ほど落ちましたね」

就職活動はすべて「新しいことだらけ」で楽しかった

tanjoubi

2019年の、会社での誕生日会の様子

 50社も落とされたという就職活動。心が折れることはなかったのでしょうか。

「もともとポジティブですが、特に新しいことをするのが好きなんですよ。就活は、僕にとって新しいことしかなかったので、『芸人時代の経歴を書いてみる』とか、自分なりの就活を考えるのが楽しかった。もちろん、どうしようって思うことはたくさんありましたが、それでもメンタルがやられることはなかったです」

 就活中に、数社から内定をもらうも、入社意思を伝える期日までは納得いくまで就職活動を続けることを決意。そこで現在勤務している株式会社シー・ビー・ティ・ソリューションズに出会います。

「就職エージェントに『僕は血の通っている会社で働きたい。どんなに儲けていても、血の通っていない会社はいやだ』と話をしたところ、紹介してくれたのが今の会社でした。『いつ電話しても後ろで楽しそうな声が聞こえる』と、エージェントが教えてくれました。実際、代表に会って、たしかにいい会社だと納得できました。話を聞いて、事業展開や展望がすごく見えたのと、働いている人が生き生きして楽しそうだったので入社を決めました。人事部長の人心掌握術にやられてしまったのも大きかったです(笑)」

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