自転車日本一周で得た“出合い”。名店で修行した「実力派カレー店主」を直撃
コミュニティの場を作りたかった
――エリックサウスも長く働かれてましたが、いつかは独立というのはずっと頭にあったんですか。
礒邊:もともとバンドをやっていた時期から将来は飲み屋さんをやりたくて、今のこのマロロガバワンの形をしたかったんですよ。昔、イタリアンをやっている時に自分がお店を出したらやりたいメニューとかを書いたメモがまだ残っていて。キーマカレーが軸にあるんですけど、夜は飲み屋さんっていうイメージがその時からあったんですよね。
――そして、2020年1月、ついにマロロガバワンがオープンとなります!
礒邊:飲み屋さんというか、コミュニティの場というか、そういう場所を作りたい気持ちで妻と一緒にお店を始めました。カレーだけ食べてもいいし、お酒を1杯だけ飲むのもいいし。自分も、妻も基本はスパイスを使いたいのでスパイス料理がメインになります。
キーマカレーを美味しく食べてくれれば良い
――昼は南インドスタイルのカレーが中心で、南インドのクレープ料理のドーサもやってますよね。夜のお店はどんな感じですか?
礒邊:カレーはもちろんありますし、お酒に合うように作った冷菜やタンドール料理、鉄板料理も出してしています。コロナが落ち着いたらですけど、夜はもっと賑やかにしたいっていうのはありますね! 音楽が好きなんで2階でちょっとしたイベントをやったり、DJできるお客さんもいるんでイベントとかをからめたり、若い子たちも楽しめるインド料理屋さんってあまりないじゃないですか。それこそコニュニティの場にどんどんなっていければと思っています。
――厨房に立たずに日によってはタブラ叩いてるだけ。ドリンクを片手に礒邊さんのタブラに酔いしれるみたいな(笑)
礒邊:そういうのもアリだと思います(笑)。この場所を使って楽しいことをしたいですね。それが一番です! ボクは「自分が作った料理、美味しいでしょ、どう」みたいな感じでやりたいとは全く思ってないんです。キーマカレーをただただ作って、それを美味しく食べてくれれば、それだけで最高なんで。
=====
アンジュナやエリックサウスという名店で腕を磨いた礒邊さんのルーツは地元で食べたキーマカレー。インド料理の道に進む運命は、すでに小学5年の時に決まっていたのかも。今度は「礒邊さんのキーマカレーを食べた小学生が将来カレー屋さんを営む!」なんてことがあるかもしれませんね。
<取材・文/カレー研究家 スパイシー丸山 編集/R谷中(@ia_tqw)>