間取り図の「MB」って何のこと?不動産の業界ウラ用語
目次
Q.「あて物(あてぶつ)」ってどんな意味?
「あて物、挟まないと契約決まらないよ」
「で、ですよねえ!」
また聞きそびれちゃった……どういう意味?
A.契約させたい物件を見せる前に、わざと条件の悪い物件を見せること
例えば「家賃7万円以内、駅徒歩10分以内」という希望条件の場合、お客さんが指定してきた物件や、希望に合いそうな物件を見せる前に「ものすごく狭い」「設備が古くて汚い」など、条件の悪い物件を見せます。
「このあたりで家賃7万円だとこんなものですよ」と言われて一旦は意気消沈しますが、そのあとに「本命物件」(営業マンが契約させたい物件)を見せられると、実際よりも良く見えて、契約をしてしまいます。
不親切な営業マンの場合、早く契約を取りたいので、希望条件に合う物件が複数あってもわざと紹介せず、「あて物」と「本命物件」しか見せてくれないこともあります。
お客さんが迷っている時間が惜しいんですね。引越しの予定が迫っていたりして焦っていると、この手法に乗せられてしまいます。できるだけ余裕を持って、複数の不動産業者を訪ねる手間を惜しまないことが大切です。
Q.「重説(じゅうせつ)」ってどんな意味?
「重説済んでる?」
「確認します!」
じゅうせつ……ってなんだっけ?
A.契約前に重要事項説明書を宅地建物取引士が読み上げること
賃貸や物件購入などの不動産取引契約を結ぶ前に、宅地建物取引士(いわゆる宅建を持っている人)が物件に関する重要事項説明書を読み上げなければならないということが宅建法で定められています。
説明する際にはお客さんに「宅建証」を提示しなければなりません。不動産業者によっては、営業マン全員が宅建を持っているわけではないので、資格を持っている人に重説だけ引き継ぐこともあります。
ただ、素人にとっては難しい言葉で説明されても、正直言ってわからないことも多いと思います。
しかしここで読み上げられたことは、了承して契約をしたことになってしまいます。少しでも不安なことや疑問点があれば、遠慮せずに必ず確認するようにしましょう。
<TEXT/bizSPA!取材班 モデル/倉田夏希(SPA!DOL)>
参照:『不動産用語辞典』(日経文庫)