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亀田の柿の種、新黄金バランスで目指した「脱・親父のおつまみ」

ビジネス

先取りしすぎるとヒットは生まれない

 これまで数多くの商品を発売してきたなかで特に好評だったものについては、「(株)明治のチョコレートとのコラボ商品が安定した人気を誇っている」と語る。

「明治さんとは『「カカオ-コメ」プロジェクト』と題して、かれこれ10年以上のお付き合いがありまして、その一環で毎年冬季限定のコラボ商品を出しています。これが、お客様からは毎年楽しみに発売を待っていただいていて、とても人気の高い商品になっています。また、根強い人気なのは『亀田の柿の種100%』。ピーナッツなしで、柿の種にこだわりたいお客様から支持され続けています」

 他方、ターゲットとして狙ったお客様から受け入れられなかった商品についても話を聞いてみた。

「亀田の柿の種の発売50周年を記念し、満を持して企画した『世界ピリ辛種紀行』という商品は新しい物好きなお客様には好評でしたが、メインターゲットである主婦の方にはあまり響かなかったですね。というのもシラチャーソース味といった、トレンドの新しい味にしたはいいものの、主婦層のお客様に味がイメージしづらかった。もちろんターゲットの趣向やトレンドを抑えて、商品化したんですが、流行を先取りしすぎるとうまくいかないことを学びましたね」

プロモーションは常に話題喚起を意識

亀田製菓

宇宙日本食に認証された亀田の柿の種

 2016年には長さ55.4cmにも上る巨大な亀田の柿の種を製作し、ギネス世界記録に認定。また、2017年には米菓で初の宇宙日本食の認証取得に成功し、まさしく話の「種」になるような話題を積極的に作り出している。

「当社にはお米を中心とした研究開発を行うお米総合研究所という部署があり、宇宙日本食への挑戦は当時そこに勤務する入社2年目の女性社員の発案がきっかけでした。『宇宙に行けたら夢があるよね』という想いから始まったプロジェクトでしたが、宇宙というとキャッチーで話題性があるので、若年層にも海外の方にも注目してもらえると当時のブランド担当者は考えたといいます。

 通常の『亀田の柿の種 6袋詰(200g)』は賞味期限が180日であるのに対し、宇宙日本食に認証されるためには1年6カ月の保存ができないといけない。これが最大の難関でしたが、研究員の挑戦が実り、無事に認証取得となりました」

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