不動産屋で「のっけ」と聞こえてきたらアウト!? 不動産業の業界ウラ用語
Q.「天ぷら」ってどんな意味?
「あの先輩また天ぷらしたんだって」
「私も好きですよ!」
揚げ物美味しいもんなあ……。
A.解約や取り消しを前提とした架空の契約
営業マンにノルマは付き物ですが、不動産業界でも厳しいノルマに頭を悩まされる人が多くいます。
「契約が取れるまで床の上に正座して電話を掛け続けろ!」なんて新人営業マンが強制されるという話も……。もちろん、そんな会社ばかりではありませんが、追い詰められた営業マンが「天ぷら」に手を出してしまうことがあります。
契約が取れたように見せかけるため、架空の契約書を作り、ギリギリのところで「キャンセルされちゃいました」と契約を解消します。
語源については、「天ぷらは衣だけで中身がスカスカなことが多いことから、中身のない架空の契約のことをいう」など、諸説あるようです。
そんなことをしても、結局はノルマを達成できないし、時間稼ぎにしかなりません。「天ぷら」が発覚すれば、お客さんや同僚・上司の信用を失うこともあります。そんな言葉が横行する不動産業者には注意したほうがよいでしょう。
Q.「スティグマ」ってどういう意味?
「あの物件はスティグマがあるからなあ……」
「そうなんですよねえ」
いい意味じゃなさそうだけど……何?
A.土壌汚染されていた土地に対する心理的嫌悪感
購入を考えている土地について、過去に有害物質が埋まっていたことがある場合、「今は除去されていて安全性が証明されています」と説明されても何だか不安になるのが人情というもの。
「完全に除去できるものなの?」「地下水が汚染されているのでは?」という心理的嫌悪感を「スティグマ」と呼びます。過去に自殺や犯罪が起こった「事故物件」と似ていますね。
土地の値段を決めるときに、この「スティグマ」が考慮され、その分値段が下がることになります。土地の売り主には、土壌汚染について「説明義務」があるので、もし事実を隠して売ってしまったとしたら、訴えられ、賠償金を支払うこともあります。
しかし年数が経てば「スティグマ」は薄まっていくとされているので、土地の価格もそれに伴って回復していくことになります。
<TEXT/bizSPA!取材班 モデル/岡田ちほ(SPA!DOL)>
参照:『不動産用語辞典』(日経文庫)