コロナの打撃からV字回復「焼き肉きんぐ」強さの秘訣は
9月15日をもって、東京23区内で酒類を提供する飲食業の営業短縮が終了になりました。ただ、東京商工リサーチの調査によれば、新型コロナ関連の破綻件数は飲食業が62件と最多に。試練の時が続いています。
しかし、苦しい状況でも、好調を維持している企業も存在します。本連載「ブラック企業アラート」が今回紹介するのは、焼肉食べ放題チェーン「焼肉きんぐ」の運営元「物語コーポレーション」。
この状況下でも7月の売上速報値が前年度110.1%まで回復し、9月10日には新店が埼玉県にオープンしたりと、勢いがあるニュースが多いです。
コロナ禍でも踏みとどまり最終黒字
まず、物語コーポレーションの連結決算について、連結決算が公開されている2015年6月期以降のものをグラフ化しました。2019年6月期までは順調に売上を伸ばしていますが、2020年6月期は新型コロナウイルス流行に伴う外出自粛の影響もあり、伸び悩みました。
ただし、2020年6月期は最終黒字となっており、なんとか踏みとどまることに成功した企業だと言えます。
続いて、部門別の売上推移の確認に移ります。これによって「焼肉きんぐ」が物語コーポレーション内でどのような位置付けであるかが推測できます。
部門別では「焼肉きんぐ」業態が主力
部門別売上推移を確認すると、焼肉部門が全体の5割を占めており、非常に重要な業態であることがわかりました。
さらに焼肉部門内の店舗数推移も同様に確認します。グラフにすると一目瞭然ですが、焼肉部門の店舗のほとんどが「焼肉きんぐ」の店舗でした。したがって、焼肉部門の売上≒焼肉きんぐの売上と見なしてよさそうです。
また、先ほど述べた通り、焼肉部門の売上シェアは全社売上の半分を占めており、「焼肉きんぐ」が物語コーポレーションにとって重要な存在であることは疑う余地はないでしょう。