コロナで投資を始める人が増加中。証券各社の強みを比較した
ポイント投資が追い風に
SBIは2019年7月から、楽天は2019年10月から、それぞれTポイント、楽天スーパーポイントを利用したポイント投資や取引に応じたそれらポイントの還元を行っているため、手元資金が少なくても比較的気軽に取引デビューできます。溜まったポイントを買いものなど金融以外のサービスに利用できるのが、2社の強みといえそうです。
同じSBIグループのSBIネオモバイル証券もTポイント投資で1か月の約定料金が50万円以下なら税込220円といった月額固定の手軽なサブスク型手数料が売りですが、還元されるのは同社内でのみ利用可能な期間固定ポイント。取引の都度ポイントが貯まるしくみではないため、各社手数料ゼロのトレンドにおいては魅力が薄れたかもしれません。
SBI証券と楽天証券は、いずれも銀行口座を無料で連携できるのも支持される理由のひとつでしょう。とくに楽天は「楽天経済圏」のなかで楽天ポイントクラブや、楽天公式のおこづかいアプリ「スーパーポイントスクリーン」といったポイント獲得手段、そして楽天ペイ、楽天市場、楽天モバイル等ポイントの使いみちを広くカバーしているため、使えば使うほどおトクといえそうです。
現時点(2020年6月末)の口座数やログでは楽天等に水を開けられるau(KDDI)も、おそらく目指すのはこうした「au経済圏」。金融子会社として2019年にauフィナンシャルホールディングスを独立させ、傘下にauじぶん銀行やauカブコム証券等を配置して金融事業への本気度を示しています。
「株式」「証券」…3月に関心が急増
株式投資に関係ありそうなキーワードの検索ユーザー数は、コロナ禍の深刻化とともに増加。消費増税の影響か2年間でいずれも関心が薄くなった2019年8~9月を底に検索ユーザーが増え続け、とくに「株式」「証券」「株価」は3月に100万人近くが検索しています。
「投資」「配当」もやはり3月に検索が増えました。「運用」は1月の約20万件が最多で他のキーワード程は使われていませんが、1年前と比べるとやはり関心が高まっている模様です。
これらキーワード検索ユーザーが3月に併用したキーワードは、「株価」がダントツ。次いで「楽天証券」「SBI証券」のブランド指名キーワードが多く使われました。「SBI証券」で検索したのは「楽天証券」ユーザーに比べて年代、年収ともやや高めのゾーンでした。
続いて個人年収ごとのボリュームゾーンを見てみます。個人年収が「楽天証券」ユーザーと同程度のユーザーでも、若干年上の37歳前後だと「松井証券」、40歳前後だと「大和証券」が使われています。「マネックス証券」を検索したのは年代、個人年収とも「楽天証券」と「SBI証券」の中間ゾーンでした。
「株式」や「投資」は個人年収500万円前後、「手数料」「証券」「株」「コロナ」「ポイント」は35歳前後で個人年収500万円超と比較的余裕がありそうなユーザーが検索した一方、「ポイント投資」「dポイント投資」だと年収400万円前後で40代が使っていました。
「配当」に関しては35歳前後、「株主優待」は40歳前後のユーザーが検索しています。3月に株価が急落した「オリエンタルランド」「ANA」も関心を集めたようです。