Googleも導入「リファラル採用」とは?景気回復で変わる就活事情
就活事情は大きく様変わりし、企業の方から職を求めている人にアプローチをする逆求人など、以前では考えられなかったような採用プロセスが生まれています。
この背景には、景気回復を背景にした空前の人手不足が関係しています。
人手不足だと感じている企業は、1991年以来、4半世紀ぶりの水準まで上がっています。また、人口減少がこれからも続くことは明白であり、労働者人口はどんどん減っていき、2050年までに2500万人も減少すると言われています。
優秀な人材を獲得しようとする企業の争奪戦が6月11日放送のNHK『クローズアップ現代+』で紹介されました。
企業が学生に面談を申し込む逆求人「Offer Box」
これまでの就職活動とは異なり、企業の方から学生にアプローチをするという、「Offer Box」という逆求人サイトが注目を集めていると、番組で紹介されました。
Offer Boxの自分のページにプロフィール登録をするだけで、企業から選考のオファーが来るといういわゆる「スカウト型」就活サイトで、およそ9万5000人が登録しています。
通常の就職活動は、就職を希望している人が企業に応募する形で選考を進めます。そのため就職希望者は、何通もの書類を作成しなければなりませんでしたが、逆求人サイトでは、プロフィールを1回だけ書くだけで済むので、就職希望者の労力が大きく軽減します。
また、通常の就活と違い、企業が学生に面接を申し込み、その申し込みを受けるかどうかの決定権も学生サイドにあります。そのため、自分を必要以上に良く見せる必要はなく、今の自分の状況をありのまま企業に伝えることができます。
企業にとっても、本当に欲しい人材を見つけやすくなるというメリットがあり、「Offer Box」に登録している企業は3700社を超えるそうです。
Google、Facebookも導入「リファラル採用」とは?
次に紹介されたのは、GoogleやFacebookなどの大手IT企業が取り入れているという「リファラル採用」。これは、社員に人材を紹介してもらう採用制度のことを指しています。
すべての社員が採用担当となり、他の企業で働く知人や友人に転職の勧誘をしてもらうという仕組みです。
これは他の企業で働きながらも転職を考えているという転職潜在層をターゲットにした採用手法で、個人間の繋がりだからこそ、企業の魅力や風土を、きちんと伝えることができます。そのため、他の選考方法よりも適した人材を確保することができ、結果的に離職率を減少させることができるというメリットがあります。
就職で問題になっているのが、企業と社員の採用時のミスマッチです。頑張って就活して就職したとしても、企業の風土や制度に合わないということや、企業側が求めている人材ではなかった、ということは往々にしてありました。
また、人材を紹介した社員には報奨金が支払われることが多いですが、報奨金を払ったとしても人材紹介会社や採用媒体を利用するよりもコストを抑えて採用活動を行うことができるという点において企業にもメリットがあります。
事務管理向けのクラウドサービスの開発と運営をおこなっている「freee」は5年間で50人の社員をリファラル採用によって採用したと、番組で紹介されていました。