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街の弁当屋が「夢のタワマン生活」を実現できた訳。秘訣はネット集客

学び

YouTube広告収入だけで月30万円

 キッチンDIVEのYouTubeチャンネルは月間再生数だけでも100万再生に達し、ファンからの投げ銭も含めると、YouTubeの広告収入だけで20万~30万円にのぼるという。

 これだけでアルバイトの給与分くらいは賄えるというから、キッチンDIVEの収益基盤の強さに圧倒される。キッチンDIVEの経営を行う中で、伊藤店長は「固定費を下げること」を意識していると語る。

「家賃が30万円なので、売上が300万円の場合は家賃比率が10%となりますよね。これを売上1000万円にすれば、家賃比率を3%に下げられる。お弁当の材料費は50%、人件費はボーナス込みで25%と固定にしていることから、売上アップを図り、いかに家賃比率を下げるか意識しています。

 1個200円のお弁当を販売しているのは、あくまで客単価を上げる工夫にすぎません。実際は200円のお弁当よりも500円や1000円のほうが売れていますし、特に遠方から来られたお客様は、車で複数お弁当を購入いただくこともよくあります」

タワマン暮らしを実現できた訳

キッチン

 奇想天外なプロモーションや徹底した数値管理、ファンを増やしリピート率を上げるためのSNS活用が功を奏し、今ではタワーマンションの最上階に住んでいるという伊藤店長。

 まさに「弁当屋の星」とも言えるほど、夢のあるサクセスストーリーだが、今後の展望については「来年の夏をめどに新しい店舗を出したい」と抱負を語る。

「コロナの影響で、居酒屋やカフェなどのテーブルサービスを提供する飲食店に来店するお客様が、テイクアウト専門のお店に流れている。

 現在、生産ラインの稼働状況からUberEatsや出前館などの配達サービスはやっていませんが、お店に来なくとも買いたいというニーズがあれば、取り入れたいと考えています。また、来年の夏くらいは渋谷にリアル店舗を出したいと思っているので、直近ではTwitter10万フォロワー、YouTubeは10万人のチャンネル登録を目指します」

<取材・文・撮影/古田島大介>

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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