ガストの宅配メニューが強い訳。外出自粛でも「攻めの経営」を分析
難事業を成し遂げた新社長
2006年に実施したMBO後は引き続き創業者の横川竟氏が社長の座につきますが、2008年に解任決議が通ったことでその座を追われます。
その後を2008年に引き継いだのが谷真氏です(図1の「CEO就任」が示すものです)。谷氏はいわゆる「生え抜き」で、社会人生活を一貫して、すかいらーくグループの中で過ごしてきた人物です。
就任当時、営業利益は赤字で、現在の姿を想像できた人は決して多くはなかったでしょう。しかし、2011年末から参画したベイン・キャピタルの支援も受けながら、2014年の再上場を果たし、のちも売上高・営業利益を成長基調に戻すという難事業を成し遂げたのです(図1では「構造改革」~「成長への基盤づくり」の時期にあたります)。
さて、次の項目ではすかいらーくHD内の「ガスト」の位置づけを確認し、ガスト業態の状況を分析していきましょう。
実績:リモデルで主力ブランドの座を堅持
この項目では、「ガスト業態」に絞って分析を行います。外食チェーンを複数抱える企業の場合、「店舗数」全体のデータは必ずあるのですが、「売上額」や「リモデル」内訳のデータがないことがよくあります。
決算短信でもセグメントを分けずに「会社全体」のデータしかなく、店舗数でしか推測できないケースがあるのですが、すかいらーくHDは開示データの幅が多く、業態に絞って議論しやすい構成でした。
・ブランド別の売上データ(アニュアルレポートから)
・店舗数の変動・内訳(決算説明資料から)
・デリバリー/テイクアウトの売上推移(同上)
私見ですが、数値資料がわかりやすく、(法律上開示する必要がないレベルの)内訳まで公開している企業は最終的な業績がよいケースが多いと感じます。今回も「すかいらーくHDが復活したのも当然だ」と頷ける結果でした。
まず、すかいらーくHDにおけるガスト業態の売上シェアを確認します。2014年から一貫して4割前後で推移しており、ガストは名実ともにすかいらーくグループにおける「主力ブランド」と呼んで差し支えないでしょう。