東京オリンピック「関心ない」は本当?行動ログから分析する
スポーツ・イベント好きはどう動く?
観戦に多大な関心を寄せる公式サイトユーザーは「直接的効果」の主要な担い手といえます。公式サイトユーザーが併用していて、各サイトにおけるユーザーシェア(含有率)が高いサイトを確認してみましょう。
公式サイトユーザーはやはりスポーツが大好き。対象期間中日本中をわかせた1位「日本ラグビーフットボール協会」サイトの30%、3位「JFA」や4位「Jリーグ」ではユーザーの22%を占め、とくにサッカーとラグビーに関心がありそうです。おそらくこれら種目の観戦にも積極的と考えられます。7位埼玉県や17位横浜市の自治体サイトが見られているのは、いずれもサッカー会場を擁する影響かもしれません。
2位「RUNNET」はランナー向けに大会出場やラン記録管理、通販、走行距離に応じポイントが貯められるポータルサイト。自ら運動好きと見られ、グッズへの投資意欲も高そうな印象です。5位Visaは東京2020オフィシャル決済テクノロジースポンサー。チケット決済手段を独占した結果、会員が増えたのかどうか気になるところです。
そして注目は、6位イベント予約サイト「Peatix」、8位「TravelNote」、9位「Let’s Enjoy TOKYO」など、全般にイベント、レジャーやグルメ、旅行に関するサイトにおける公式サイトユーザーの存在感です。
想起されるのは、オリンピック・パラリンピックやラグビー、サッカーといったゲーム観戦やランイベントをきっかけとして、積極的に周辺のレジャーやグルメ情報を探し、イベントを満喫するタイプ。消費増税対策のキャッシュレス還元施策が終わる6月以降も、公式サイトユーザーは景気を下支えしてくれるかもしれません。
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2019年ラグビーワールドカップには40万人の訪日外国人客が訪れてゲーム観戦者は旅費・飲食費・観戦費などひとり平均38.5万円も消費してくれたそうで、キリンビールや英国パブ「HUB」「82」の売上にも大いに貢献しました。
春の追加チケット販売の公表や代表選抜など、今後はプレイベントが続き、街の風景そしてテレワークなど大会運営に付随する施策を通じオリンピック・パラリンピックを意識する機会も増えます。逆に混雑を避けて海外旅行を計画するひとも多く海外旅行代金は高騰しているようですが、それもまた経済効果といっていいでしょう。
景気への影響も、ここからの半年間が本番なのかもしれません。まずは目先の新型コロナウィルス問題が一刻もはやく収束へ向かうことを祈るばかりです。
<TEXT/清水響子>