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オロオロしている新人に「先輩がかけるべき一言」

学び

新人を「自ら育つ」体質に改善させる

 新人のオロオロする状態を防ぎ、新人を「自ら育つ」体質に改善するには、会社の行動指針を理解させることも大切です。会社が大切にしている行動が理解できれば、その分、オロオロせず、主体的に行動できる可能性が高まります。

 例えばチャレンジを求められる会社で、必要以上に慎重すぎる行動をとってしまう新人は、組織に適応しづらくなる可能性があります。そんなときは、指導者が新人に会社の行動指針を意識して行動するように指導することで、組織への適応スピードを格段に速められます。

 私が在籍していたソフトバンクでは、ソフトバンクバリューという行動指針があり、「No1」「挑戦」「逆算」「スピード」「執念」という5つが掲げられていました。

 私も新人を指導する際には、この点を意識して質問を投げかけていました。質問を投げかけるタイミングは、新人が会社の求める行動指針とそぐわない行動をとったときです。

 私が経験した例を紹介しましょう。

<私が経験した例1>
「それでは、企画書の作成をお願いします」
新人「2週間ぐらいお時間いただけますか?」
「会社が求めているスピード感だと、最短でどのぐらいで提出できそうかな?」
新人「1週間でやってみます」

<私が経験した例2>
新人「こちらの企画案でいかがでしょうか?」
「なかなかいいね。ちなみに、No1のレべルの企画に引き上げるには?」
新人「少し考えてみます」

会社の行動指針を意識させる

サラリーマン

 このように会社が求める行動指針を問いかける質問も、やりとりにそれほど時間はかかりません。

 ポイントは、会社が求める行動指針を一日も早く身につけさせるために、毎日繰り返し行動指針を問う質問をしていくことです。

 ひとつの質問を愚直に積み重ねていく、地道な努力が求められます。なぜなら、新人の行動を習慣化させるには、ある程度の時間が必要だからです。首から下げているストラップに行動指針を書いた紙を入れるだけでは、行動の変化は生まれにくいのです。

 また、毎日の質問は、会社が大切にする行動指針を思い出させるリマインド効果にもつながります。

 あなたの会社には、どんな行動指針があるでしょうか?

 もしくは、あなたの仕事のポリシーとして、どんな行動指針を大切にしているでしょうか?

 それらの大切にすべき行動指針を新人に伝え、毎日の質問リストにぜひ付け加えましょう。じきに、新人のオロオロした状態は消え、会社への適応は格段に速くなり、早期に活躍できる人材になることでしょう。

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<匠の時短質問>

新人が会社の行動指針に沿った行動がとれていない時、「会社の行動指針を考えると、どう行動すべきかな?」
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 以上、指針を与えて、新人をオロオロさせない方法についてお伝えしました。新人には、仕事の依頼レベルを丁寧に確認させたり、また、会社の行動指針に沿って行動させる習慣をぜひ早期に身につけさせてください。

 新人はきっとあなたのサポートでより成長し、チームに貢献する人材になっていくことでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

<TEXT/島村公俊>

講師ビジョン株式会社代表取締役。人事系コンサルティング会社を経験後、2006年ソフトバンク(旧ボーダフォン)入社。ソフトバンクユニバーシティの立ち上げ参画し、研修の内製化をリードする。独立後は1000人規模の新人研修やエルダー(OJT、メンター)教育にも携わり、新人、若手の早期育成にも貢献する。社内講師の育成トレーニング、OJTトレーナー研修、新人研修などを提供する。近著に『10秒で新人を伸ばす質問術』(東洋経済新報社)

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