橋下徹氏「僕が批判されても持論を展開する理由」
権威者の意見と合わなくてもいい
また、情報の発信者の権威を気にする必要もありません。自分の持論工場のレベルが上がる前は、たとえば発信者が有名大学の教授だと、その人の言っていることはすべて正しいと思い込んでしまいますが、教授たちが述べることの多くは、ネットですぐに検索できる情報に持論を加えているだけです。
情報の部分は、あなたでもすぐに検索できるところであり、あまり価値はありません。重要なのは、それに続く持論です。持論は、何が正しくて、何が間違っているというものではなく、まさにその人自身の考え方といえます。
だから、たとえ肩書が立派な人の持論が自身の持論に合わないからといって、気にする必要はまったくない。「こういう考え方をする人もいるんだな」と、いなせばいいだけです。
汚染処理水への発言が物議。世間からは…
2019年の秋、福島原発の汚染処理水について、松井大阪市長と吉村大阪府知事は「科学的に環境被害がないことを国が確認した後は、海に放出するしかない。福島沖だけでなく場合によっては、大阪で放出してもらってもいい」という旨の見解を述べたことが賛否両論の的になりました。全国どこにおいても、福島原発の汚染処理水は放射性物質を含む極めて危ないものだと認識されています。
ですから、福島の漁業関係者だけでなく、大阪の漁業関係者からも猛烈な批判が沸き起こりました。しかし、原発の汚染処理水は毎日150トンという猛烈な勢いで、原発敷地内のタンクに貯められていっています。現在、タンク内の量は100万トンを超えています。このまま永遠に、タンクで貯蔵することは不可能であり、どこかのタイミングで海に放出するしかありません。
持論をアウトプットする工場のレベルが低ければ、福島の汚染処理水という情報をインプットすれば、「危ない!」「海への放出は絶対禁止!」という見解がアウトプットされるでしょう。