橋下徹氏「僕が批判されても持論を展開する理由」
ネットが普及し、誰でも手軽にあらゆる情報を得られるようになった現代。そんななかで、ビジネスパーソンには「自分の考えを述べる能力」が求められています。
この「持論」の重要性を説くのが、新刊『異端のすすめ』(SB新書)の著者であり、元大阪府知事・大阪市長である橋下徹氏です(以下、橋下氏の寄稿)。
持論とは「自分が納得している論」
これからの情報化時代に求められる能力は、「知識・情報を持っている」ということよりも、その知識や情報を活用して「自分の頭で考え持論を打ち出せる」ことです。
知識や情報をインプットして、それをもとに持論を構築する。ある程度、訓練を積むとだんだんとできるようになっていきますが、これは、原材料を放り込むだけで最大の付加価値のある先端製品を作ってしまう「工場」を自分の中にもつようなものです。
持論とは、たとえ人から間違っていると言われようとも「それでも自分はこう考える」と言い切れるもの。
もちろん、色々な知識や情報に触れるにしたがって持論を自ら調整、改善、変更することもありますが、基本は「自分が納得している論」です。
情報の「真偽」はそれほど気にしなくていい
世の中に情報があふれ返っている今の状況では、情報の真偽が気になってしまうという人もいるでしょう。明らかにソースの怪しい情報は論外として、誤解を恐れずにいえば、情報の「真偽」はそれほど気にする必要はありません。というよりも、気にしていては情報の波に怖じ気づいてしまいます。
ネットにあふれている情報のすべてについて裏付けを取ることは不可能ですし、どんなに偉そうに言っているインテリたちも、完璧に正しい情報だけを選別できているわけでもありません。
他人を傷つけることだけは避けなければなりませんから、闇雲に拡散することはやめる。あくまでもネットに氾濫している知識・情報は、持論を展開するための引用にとどめるべきです。