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ZOZO買収とPayPayでEC市場に挑む、ヤフーの勝算

ビジネス

異なるユーザー像、シナジー出せるか?

 30~40代男性が60%というYahoo!ユーザー(ショッピング以外を含む全サービス)と、20~30代女性が70%を占めるZOZOTOWNユーザー。属性が異なるだけに、両サービスとも顧客基盤が拡大できると期待されています。

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図表10 ヤフー株式会社と株式会社ZOZO、共同記者会見プレゼンテーション資料

 行動ログ上は、思惑通りZOZOTOWNユーザーをYahoo!(PayPay)経済圏に取り込めたら、男性は28%、女性は38%増加する計算で、だいたい楽天市場と同じ男女構成になりえます。

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図表11 主要ECおよびアパレルのユーザー(アプリとスマートフォン・PC各サイト合計。2018年10月-2019年9月、男女別)

 年代別構成も20代は68%、30代が39%、40代も28%増加する計算。Amazonや楽天市場とおおよそ似通った構成になり、大幅な若返りが期待できそうです。

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図表12 主要ECおよびアパレルのユーザー(アプリとスマートフォン・PC各サイト合計。2018年10月-2019年9月、年代別)

移り気なECユーザー

 ユーザーは、思惑通りにPayPay経済圏に参加してくれるのでしょうか。

 現時点のアプリ併用状況を見る限り、そう簡単ではないようにも思われます。というのは、主要ECとアパレルアプリユーザーの大多数はAmazonを併用していて、とくにZOZOTOWNユーザーは67%、Yahoo!ショッピングユーザーは58%にも上ります。Amazonユーザーは併用なしの高ロイヤリティユーザーが36%存在するものの、それ以外のアプリは、起動されてはいても、常に厳しい顧客争いにさらされているわけです。

 とくにZOZOTOWNアプリユーザーのYahoo!ショッピング併用は23%、Yahoo!ショッピングアプリのZOZOTOWN併用にいたっては5%にすぎません。良くも悪くも、まさに顧客層が違うのです。

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図表13 主要ECおよびアパレルアプリの併用状況(スマートフォン、2019年4-9月。赤は各サービスの最多併用サービス)

 スマホサイトの場合は、さらに移り気なユーザー像を想起させます。どのサイトも楽天市場の併用が突出していて、Amazonユーザーでも78%が利用。Yahoo!ショッピングユーザーは86%、ZOZOTOWNユーザーは91%が楽天市場を併用しています。ZOZOTOWNユーザーは65%がYahoo!ショッピングも使っていますが、Yahoo!ショッピングユーザーのZOZOTOWN併用は22%にとどまりました。

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図表14 主要ECおよびアパレルサイトの併用状況(スマートフォン、2019年4-9月。赤は各サービスの最多併用サービス)

 ただしZOZOTOWNサイトのユーザーは楽天市場91%、Amazon87%についでYahoo!ショッピングも65%併用しているので、アプリユーザーよりはPayPay経済圏に取り込める可能性が高いかもしれません。

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