家を買うなら、“オリンピック後”は本当に狙い目なのか?
何歳までにローンを組むべきか
やはり若くて健康な20代で住宅ローンを組んだほうがお得なのかもしれない。そうなると年齢的なリミットは何歳くらいまでになるのか?
「僕がマイホームの購入時期としてオススメしたいタイミングは、結婚後の場合だと、子供が生まれる前。子供が産まれてからだと、“保育園縛り”に遭ってしまうんです。
ご存じの方もいると思いますが、都心部は保育園事情の激選区。しかも一度入園させると、転園しない限り、その保育園に通える圏内で生活しなければなりません。そうなると物件探しは限られた区域の中で済ませないといけなくなる。
また、住宅ローンについても、現役のうちに完済したいと考えるのが普通です。上述した健康リスクも踏まえれば、上限は40歳ぐらいまでがひとつの目安になるのではないでしょうか」
想定外の出来事にも対応できるように
ちなみに今回の想定年収である400万~500万円の場合、無理なく返せるという前提条件を踏まえた上で、ゼロリノベでは以下のような住宅ローンの返済比率(ローンの返済額が年収の占める割合)を推奨している。
【年収400万円の場合】
返済総額=2285万円 月々の返済額=6.7万円
【年収500万円の場合】
返済総額=2856万円 月々の返済額=8.4万円
年収400万の場合、「フラット35」では借入可能額は3999万円(11.7万円)となっており、西村氏の推奨する2285万円(6.7万円)は、様々なリスクを想定したうえで、かなり少額の設定になっているのがわかる。さらに、ライフイベントである結婚や出産以外に、自然災害や離婚など想定外の事象も「ある程度気をつけておくべきだ」と話す。
「人生に想定外はつきものです。よって、それらに対応できるような余裕ある予算で住宅は購入すべき。また、その都度最適化できるように可変性のある空間にしておくこともポイントです」
不動産探しの前に知っておくべき常識
これらを踏まえたうえで、不動産を探す前に、抑えておきたいポイントは次の6つが挙げられよう。
・不動産相場のコントロールは不可能。なので東京オリンピック後まで購入を待つか否かについて正解はない。
・マイホーム購入は健康なうちに無理のない予算で買うべき。
・一生賃貸で暮らすという選択は老後が大変。
・身動きが取れなくなる保育園縛りに陥る前に購入の可否を決断すべき
・住宅ローンは余裕のある返済比率が◯。限度額いっぱいはリスクでしかない。
・人生は何が起きるかわからない。想定外であっても最適化できる可変性ある空間も必要。
ポイントを理解した上で自分の身の丈に合った理想のマイホームを探そう。
<取材・文/永田明輝>