「努力を信じすぎるな」ちょっと気がラクになる、偉人の名言3つ
3.「ためしに、仕事をしている自分自身を全否定してみる」ボブ・ブラック
さて、最後はかなりの劇薬。
『労働廃絶論』(ボブ・ブラック著 高橋幸彦訳 『アナキズム叢書』刊行会)には、<結局のところ労働とは殺人を意味することに他ならない>(p.28)なんて刺激的な一文があります。
“ブラック企業”とか“社畜”なんて言葉が飛び交う現状ではドキッとさせられますよね。それは労働がもたらすストレスが健康を害し寿命を縮めるという意味の他に、こういう見方から来ているようなのです。
<人々は人生をまるまる支配され、学校から労働へと引渡される。初めは家族、終わりは老人ホームでくくられ、ヒエラルキーに慣らされ、心理的に奴隷化されてしまう。(中略)一度、労働者から活力を奪ってしまえば、万事においてヒエラルキーと専門知識に服従するようになるだろう。人々はそれに慣れきってしまうのだ> (p.19)
言われてみればそんな気もしますが、これを鵜呑みにするのは危険。でも次の一文のようなクールな視点は役に立ちそうですよ。
<我々が今やっている仕事は、必ずしも自分でやらなくてもよいということを心に留めておくとよい>(p.39)
だから手を抜いていいってことではなく、自己嫌悪のスパイラルにハマりそうになったとき、ちょっと思い出してみてはいかがでしょう。
<TEXT/石黒隆之>
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