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吉本興業元マネジャーが語る「これからの芸人の生き方」

ビジネス

吉本興業から独立するきっかけは

吉本興業

吉本興業東京本社 CC BY 3.0

――2009年にSLUSH-PILE.を設立。吉本興業から独立しようと考えたのはなぜですか?

片山:僕は35歳で吉本興業を辞めてるんですけど、今でもめっちゃ好きですし、どこまでいっても日本一の会社だと思ってはいます。ただ、「吉本以外の芸人さんとも接してみたい」という思いと、「舞台とかライブとか“生”のところで自分の力を試してみたい」という思いがあって飛び出したんです。

 当時はテレビの広告収入も下がって、芸人さんの生き方が問われる最初の段階だった気もしていて。テレビとは違ったところで、よりライブシーンが求められて来るのかなという予感もありました。

――最初に手がけたのはお笑いライブですか?

片山:いえ、文化人のマネジメントですね。まずは、自分の経験を一番活かせるところからはじめてみようと。南海キャンディーズの担当をしているときに、山ちゃんが(島田)紳助さんの番組に出ていて、「池上彰さんに教えてもらったことをみんなの前で発表してみよう」みたいな企画があったんです。

 そのつながりから、のちに池上さんにお声をかけてマネジメントさせていただいたりしました。ただ、途中でやっぱりお笑いやりたいと思って、徐々にライブのほうも仕掛けていった感じです。

劇場で芸人が稼げるようイノベーションを

――同業者であるK-PROは、若手芸人が多数出演するライブとして知られています。SLUSH-PILE.とK-PROとの違いは、どんなところにあると思いますか?

片山:僕は吉本のマネージャー時代にK-PROさんのライブを観に行ったことがあり、「こんなことやりたいな」と思っていたんです。ただ、僕は吉本興業出身であるということ。たくさんの芸人を束ねて毎日ライブをするという行為が気持ちとしてできなかった。

 束ねるというよりも、1つひとつ企画を立てていって、その形で1人でも多くの芸人さんや出演者に喜んでもらえることを目指しました。基本的にお笑いの事務所の方は優しくて理解もあるので、みんなにメリットのある形で恩返ししたいとは思っています。

――今後、SLUSH-PILE.がこうなっていきたいというビジョンがあれば聞かせてください。

片山:お笑い芸人さんが芸人らしく生きられて、お金も稼げるという土壌づくりのためにイノベーションを起こしたいですね。そのためには劇場がほしいし、そこからがスタートだと思っています。けど時間がなくて、まったくそれができていないんですよ……情けない。どなたかお金もちの方がいらっしゃればよろしくお願いします!(笑)

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