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吉本興業元マネジャーが語る「これからの芸人の生き方」

ビジネス

 ライブやイベントの主催・企画・制作を行い、文化人マネジメントも手がける「SLUSH-PILE.」の代表取締役社長・片山勝三さん(45)。

片山勝三

片山勝三さん

 新卒で吉本興業に入社し、今田耕司、極楽とんぼ、南海キャンディーズなど人気芸人・コンビの担当マネージャーを務めた。記者会見前に山里亮太さんから結婚報告を受けた一人でもあり、彼らの信頼も厚い片山さんだが、当時はどんなスタンスでマネジメントしていたのだろうか?

 上司から学んだマネジメントの極意、テレビとは異なるライブの魅力、今後の芸人の生き方など、本人に直接インタビューを敢行した(取材は7月10日に実施)。

芸人の空気を探る感覚が身についた

――マネージャー時代に心がけていたことは?

片山勝三(以下、片山):芸人さんと仲良くしすぎないように意識していました。もともと人見知りな性格だったのもありますけど、一定の距離感を置いておかないと、仕事が“なあなあ”になる。それは絶対に避けたい。

 あとは入社2年目で初めてついたのが今田耕司さん。変なタイミングで話しかけたら「コイツ空気読めんヤツやな」と思われるかもしれないし、色々探ってしまいますよね。芸人さんってそれぞれリズムもあるし、話しかけられて嬉しい人も、そうでない人もいると思います。

――そう聞くと、芸人さんには低姿勢そうですが、以前、山里亮太さんに、ライブ終了後、「そうでもないで」とダメ出しをされたようですね。

片山:東野(幸治)さんとのイベントを舞台袖から見てて、芸歴の偏差値を加味したとしても、圧倒的に東野さんのほうが面白かった。ただ、山ちゃん本人がそれに気づいていないみたいで、意気揚々と「飲みに行きますか?」と誘ってきた。

「あ、これ完全にイケてるテンションだな~」と感じたので、「そうでもないで」と伝えました。もちろん褒めたほうが芸人さんはテンション上がりますし、こちらもダメ出しは言いづらいですけど、真実を伝えてあげたほうがいいなという相手には話しますね。それは、どんな芸人でもスタンスは変えないです。

マネジメントは「痛さ」「マメさ」「責任感」

片山勝三

レスポンスが早いと「次もあそこに連絡してみよう」ってなる

――マネジメントのスタンスに影響を与えた方はいますか?

片山:芸人との向き合い方や仕事の進め方、プライベートでの遊び方まで、ある先輩からひと通り教わりました。最初に言われたのは、「痛さ」「マメさ」「責任感」というマネージャーの3原則。

「痛さ」というのは担当している芸人のために勇気ある発想と行動をとること、「マメさ」「責任感」はどんな職種でもあてはまりますが、とくにマネージャーは信頼につながっていく。とくにテレビの仕事って急な仕事も入ったりするから、レスポンスが早いと「次もあそこに連絡してみよう」ってなりますからね。

 時間が経つにつれて、本当にこれがマネジメントの大原則になるなと今も痛感しています。

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