新入社員が1年で広告代理店を辞めた理由「地味すぎる毎日に嫌気が差した」
どう頑張っても面白い仕事ができないと確信した
「結局、この会社は売上のほとんどを折り込み広告で出しており、僕が憧れたようなイベントの案件は、ほんの一握りで、キャリアのある敏腕営業数名だけが携われる仕事でした。
当初は、自分もそういう案件を取れるように営業の経験を積もうとも思いましたが、クライアントも決まった企業で、営業はほぼ御用聞き。結局どう頑張っても、ここで面白い仕事ができそうにありませんでした」
しかし、仕事がヒマというワケでもなく、終電を逃し、タクシー帰りの毎日。作る広告も、企画性はなく、代わりばえしない折り込み広告……仕事に嫌気がさし、新卒2年目の春には辞職します。
取引先・転職サイトなどをチェックするべき
田中さんが感じたギャップは、入社の前に気づけなかったのでしょうか? 企業のなかには、学生に興味を持ってもらうために、仕事の華やかな側面を誇張するところも多くいます。新卒向けの求人サイトでは、企業のリアルが見えづらいのが現状です。
「ギャップを感じないためにも、入社予定の企業のことは、最終面接の前にもっとしっかり企業リサーチすることがおすすめです。企業名でエゴサーチしてみたり、コーポレートサイトから大口の取引先を確認し、そのクライアントがどんな企業かも知っておくといいかもしれません。
また、企業風土や環境面の情報は、新卒求人サイトよりも、転職サイトのほうが細かく書いてあります。残業時間や給与面など、新卒採用の面談では聞きづらいこともしっかり載っています」
業界にこだわりすぎる就活は、時に自身を盲目にしてしまうことがあります。憧れが強いほど、“業界”で仕事をくくってしまいがちですが、実際は同じ業界でもできる仕事はまったく違います。入社後のギャップに苦しまないためにも、企業研究にはしっかり時間を割きましょう。
<TEXT/ミクニシオリ イラスト/小池祐子(@ikeko322)>