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PayPay20%還元は5月末まで。LINEペイ、楽天ペイ…勝つのは誰だ?

コラム

 昨年末、「100億円あげちゃうキャンペーン」で話題をさらったスマホ決済アプリ、PayPay。今年2月12日からは日常的な決済利用の定着を図る「第2弾100億円あげちゃうキャンペーン」が始まりました(5月31日まで)。

キャッシュレス

※画像はイメージです

 20%還元への大反響に、LINEペイやd払い、楽天ペイといった競合アプリも静観できなくなり、次々とキャンペーンを打ち出しています。さらに2月には、あのメルカリが「メルペイ」を投入し、スマホ決済市場のバトルは一層熾烈に。市場のライフサイクルでいうと、アーリーアダプターに採用される「導入期」から、一般層に近いアーリーマジョリティに受容される「成長期」へ入ったといえるでしょう。

 各社がさらなる出血大サービスを繰り広げるのは、「成熟期」に市場のステージが上がるタイミング、すなわち10月に迫った消費増税時の5%ポイント還元をにらんだ時期と思われます。ポイント還元はキャッシュレス決済が前提のため、各社ともそれまでにユーザーを囲い込み、ごく一般的なレイトマジョリティの選択肢に入っておく必要があります。

2か月で利用ユーザーを36倍に増やしたPayPay

 株式会社ヴァリューズによる国内スマホユーザー行動ログからは、PayPay祭りをトリガーに、スマホ決済市場が一気に拡大していることが一目瞭然でわかります。主要決済アプリの利用ユーザーは、3月時点でPayPayが659万人、d払い641万人、楽天ペイは400万人に達しました。

■図表1:主要決済アプリの月間利用ユーザー数

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決済機能単独でのログが取得できないため、LINE Payとメルペイは除外

 昨年10-12月で36倍に利用ユーザーを増やしたPayPayに肉薄するのはd払いで、今年3月時点で641万人が利用しました。2社には及ばないものの楽天ペイも急増。上位3社のような顧客基盤(PayPay=Yahoo!会員、d払い=ドコモユーザー、楽天ペイ=楽天ポイントなどの会員)をもたないOrigami、Kyashも、利用ユーザー数はじわっと増加中。スマホ決済は急速に生活へ浸透しているようです。

他アプリユーザーが増加。「浮動票」化する楽天

 以前の記事では、昨年12月の1か月分のログから「楽天ペイユーザーは48%が『併用なし』ながら、39%がPayPayも併用していて、ちょっと危機感」と紹介しましたが、今年に入ってついに「PayPay併用」が「併用なし」を逆転。46%と半数近いユーザーが楽天ペイに加えてPayPayを使っています。d払い以外の決済アプリユーザーは全てPayPayを併用しています。Kyashが72%と突出しているのは、PayPayの支払い手段にKyashを使ってダブルでポイントゲットのベテランユーザーでしょうか。

■図表2:主要決済アプリユーザーの併用決済アプリ(2019年1-3月)

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 ドコモd払いだけは「併用なし」の高ロイヤルティユーザーが61%。携帯料金とのまとめ払いという差別化要素を持つため、ロックオン力が高いとみられますが、それでも昨年10-12月期に比べると、PayPay併用ユーザーが8ポイントも増加していて、安泰とはいえないかもしれません……。

■図表3:主要決済アプリユーザーの併用決済アプリ(2018年10月-12月)

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 楽天ペイユーザーの併用決済アプリを詳しくみてみると、PayPayの浸食ぶりが明らかに。今年3月には「楽天ペイのみ」のユーザー数を、他アプリとの併用ユーザーが抜き去っています。楽天ペイユーザー数自体は大きな変動がないので「奪われた」とはいえませんが、他アプリ併用ユーザーが全体に増え、ロイヤルティの低い「浮動票」と化しているリスクがあります。

■図表4:楽天ペイアプリユーザーの主要決済アプリ併用動向

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